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三日坊主日記 vol.143 『本当にどうでもいい失敗談』

我が家ではもう何年も前から、活力鍋という製品で米を炊いている。


活力鍋というのは圧力鍋の一種で、アサヒ軽金属という会社の製品。僕はこの会社のCMを何年間か演出していた。この活力鍋のCMも何本か作ったご縁で利用している。


米を洗い、定量の水を加え、火にかける。沸騰してきたら”シュシュシュ”と音を出しながら振れる圧力調節弁のようなものがついていて、その音がなったら弱火にしてから一分後に火を止める(最近の製品は0分後らしいが)。あとは蒸らすだけでとても美味しく炊き上がる。蒸れ上がると蓋についたポッチが下がってタイミングを知らせてくれる。これも便利な機能だ。


元クライアントだからいうのではなく、本当に簡単に美味しいご飯が炊けるのだ。余ったご飯は冷凍しておき、レンジで温めるとまるで炊き立てのように食べられる。気になる方は、だまされたと思って使ってみて欲しい。少々値段は張るけれどね。


さて、失敗談。


我が家では米を洗ってから最低でも30分、長ければ2時間ほど置いておく。そうした方が美味しく炊けると何かで読んで実践しているのだ。今朝、妻が米を洗っていた。活力鍋で洗った米はそのまま蓋をせずに放置し、炊く直前に蓋を閉めて火にかける。それが暗黙の了解。今朝もそうしていたはずだった。


僕がキッチンの前を通ると活力鍋の蓋を閉めてコンロの上に置いてある。そしてポッチは下りたまま。この状態は火をつける直前か、蒸らし終わった直後かどちらかなんだけど、今朝の活力鍋からはなぜか熱を全く感じなかった。炊き上がった後の、あの鍋についた水蒸気や周りに漂う熱。そしてご飯の炊けた匂いがない。いや、ないと思った。だから僕はなんの疑いもなく火をつけた。


しばらくすると例の”シュシュシュ”という合図が鳴り響く。僕が弱火にしようとキッチンへ向かうと、それより先に妻が走ってきてひとこと。「なんでまた火をつけるの?」


そう。僕は一度炊き上がったご飯を再び炊いてしまったのだ。たかがご飯、されどご飯。果たしてどんな恐ろしいことになっているのか。いや、意外と二度炊きした方が美味しかも知れないぞ。などと精一杯気持ちを落ち着けて朝食に望んだ。


二回も炊かれた米は、抜群の粘りを持つ、まるでもち米のような炊きあがりになっていた。そして不思議なことに、米本来の味が抜けてしまっていて、とても味気ない。捨てる訳にもいかないので、無理してお代わりしたのであった。


教訓。米の二度炊きはやめましょう。そして、夫婦のコミュニケーションを大切に。




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