健康は歯から
〜ある日の夜〜
俺「ガハガハ!!!今日もAPEXはおもしれ〜なぁ!!!!!レモンサワーゴクゴク!!!!!」
奥歯「…………..」
フレ「目の前のパーティー詰めようぜ!!!!!」
奥歯「………..」
俺「しゃ行くぜ!!!!!!!!!」
奥歯「...............」
始まりは突然であった。
虫歯「ォラァッ!!!!!!!!!!!」
ピキーーーーーーーーーーーーーーーーーーン
俺「!?!?!?!?!?!?!?!?qあwせdrftgyふじこlp!?!?!?!?!?」
ほんとうに一瞬だった。
一瞬の奥歯の叫び。
そこから意識の矛先はゲームでも酒でもなく
“奥歯”
心臓の鼓動にピッタリとタイミングを合わせた、
死の鎮魂歌(レクイエム)
とも言える重い激痛の旋律が絶え間なく俺を襲う。
フレ「目の前の敵割ってるゥ!!!!!けんけんあと一枚だよ!!!!!!」
フレ「……けんけん!!?」
フレ「…..あれ?死んだ?」
俺「…たい」
フレ「は?」
俺「..h….ぃた…..」
フレ「あ?」
俺「歯!!!!!!!!!!!!イタァァイィィィ!!!!!!!!!!!」
フレ「…..お、おう……..虫歯か?」
俺「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!ロギゾニン!!!!!!!!!飲んで!!!!!!!!くりゅ!!!!!!!!!!!!」
フレ「.........あ、死んだ、11位やんけ」
決して兆候がなかったわけではない。
ローマ同様、
虫歯も決して1日にして成るものではないのだ。
奥歯に最初に違和感を感じた日も実のところそう浅くもない。
なぜこうなってしまったのか。
決して理由もなく放置をしていたわけではないのだ。
歯医者
得意な人間などもはやいないだろう。
院内の独特な匂い、機械音、謎に高圧的な歯科医師。
とにかく俺は、
歯医者が大の苦手だった。
しかし地獄の状況にもピリオドは打たれた。
そう、
耐え難い状況下の中、真っ先に武勲を立てたのはロキソニン大佐であった。
痛みが引くにつれなんとか思考を取り戻してくる。
(尋常じゃねー痛みやんけこれ。。)
(明日ロキソニン大佐1000粒くらい買いに行こ)
(大佐が戦ってくれてる間に虫歯が奥歯溶かしきってくれればこの状況から解放される)
(へへっ.....虫歯さんよ.....神経やるならせめて大佐がいる時にしてくださいや......長引かせずに.....一思いに獲ってくださいや......)
愚かである。
この痛みを味わったにも関わらず、
天秤はまだ歯医者嫌いに比重を置くのだ。
しかし冷静な思考を取り戻すにつれ、ここで天秤は動いた。
まてよ?ここまでの歯の痛み、大佐に一体どこまで重荷を背負わせるのか.....?
もはや地面は完全に無し崩れ、
足の踏み場は一切ない崖の中心。
天からはたった一本のみ垂れたロキソニンという名のロープ。
全身全霊の握力で掴み、なんとか俺はぶら下がり生きている状況。
果たしてこのロープが切れたら俺はどうなる....?
そしてもう一つ疑問が、
この奥歯の痛み。
このようなチャート図で見た時に、果たして今の痛みはどのあたりなのだろうか。
もし仮にこれが頂点ではなく、序盤であったのだとしたらどうだろう。
今後の俺は果たして笑えることがあるのだろうか?
果たしてこのままでいいのだろうか。
“健康は歯からである”
よくいったものだ。
将来自分に子供ができた時のワンシーンが頭をよぎる。
息子「パパー!パパはどうして歯がないのー??」
パパはね.....
大佐がね.......
天秤がね.........
果たして大佐の正義はおれのせいぎであったのか?一体どのような大義名分で戦っていたのか?
もはやAPEXではない。
俺の抱えるテルミットグレネードは既に奥歯を燃している。
まぎれもなくこれは現実の戦いなのだ。
続く
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