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映画にまつわる本 『USムービー・ホットサンド 2010年代アメリカ映画ガイド』


未公開映画配給・上映活動でおなじみ、グッチーズ・フリースクールのメジャーデビュー作とも云える2010年代アメリカ映画の教科書がついに発売となりました。

グッチーズ・フリースクールの存在を知ったのはいつ頃だろうか?
2016年秋にグッチーズ・フリースクール主催「青春映画祭」という上映イベントがあり、その前夜祭としてリチャード・リンクレーターの初期作『スラッカー』が上映されました。
自分はその上映には行けなかったのですが、こういう活動をしている人たちがいるのか、と意識したのだと思います。
(『スラッカー』はその年の11月に新宿シネマカリテで上映がありそこで観れました)

その後は2017年の「ほぼ丸ごと未公開! 傑作だらけの合同上映会」、2018年1月の『タイニー・ファニチャー』上映、7月の『グレイ・ガーデンズ』上映、12月の「傑作?珍作?大珍作!! コメディ映画文化祭」、2019年3月の「グッチーズ・クラシック部」などで上映作品を観つづけることになります。

そして2019年5月、LOFT9 Shibuyaでの「グッチーズ・フリースクール トークイベント」にも参加。
ここでのトーク内容が自分にとってはとても面白く、そしてグッチーズがどうやって面白い未公開作を見つけているのかを垣間見た気がしました。
このイベントの中で、観客に対して「どんな映画祭が観たいか?」というアンケートがあり、自分がアンケートに書いたのが「初監督作映画祭」でした。
これは 現役で活躍中の監督の初監督作品を集めた特集上映 というもので、これに対しグッチーズの皆さんが「ちょうど同じようなことを考えています」と発言していて、それが後に京都みなみ会館さんのリニューアル記念イベント「ルーキー映画祭 ~新旧監督デビュー特集~」となって開催されました。

僕らシネマクティフ東京支部では2019年7月に「シネマクティフ東京支部presents グッド・バッド・ウィアード in Tokyo Vol2」という、神戸から本家シネマクティフのペップさんを招集して映画トークイベントを開催したのですが、その時の放課後(a.k.a 二次会)にグッチーズの降矢さんが来てくれたのでした。
そこでいろいろ話したことがきっかけでルーキー映画祭パンフレットのアンケートに誘っていただいたりしました。

そして2019年末、ペップさん経由で「USムービー・ホットサンド」の話を聞き、映画レビュー文のお手伝いをすることになりました。

自分が担当したのは「ギャンブル映画」4本のレビュー。
幸いにも4本とも配信サービスにあった作品だった(便利な時代となりました)ので連続的に「ギャンブル映画」を見て書いていったのですが、面白かったのはレビューの他に
「作中で登場するギャンブルの種類」
「ギャンブルによる所持金の変動」
「作中で流れる音楽」
「作中で登場するテレビ番組や映画作品」
を調査するように依頼があったこと。そう、まさに調査ですよね。

そんな感じで自分が協力した部分はほんの少しだったわけですが、完成した書籍の見本をいただきまぁびっくり。凄まじいボリューム、情報量。
映画本にもいろいろな切り口があると思いますが、ここ10年のアメリカ映画にしぼった、しかも本当にグッチーズらしい内容。
読みながらメモしていく感じの読書となり、この監督しっかり観れてないなぁとか、この映画ウォッチリストに入れたまま見てないなぁとか、見るべき映画が増えて増えて大変困る一冊となっています。
本書は後半にいくとよりテキスト量が増えていく感じなのですが、意外に面白かったのはアメリカ国内の映画祭と、アメリカのインディペンデント系プロダクションをまとめたページ。
グッチーズのトークショーなどで話を聞いていて、「作品の見つけ方」として、その手掛かりにしてるのが上記のような部分なんだろうなぁと思っていて、自分でも調べたりまとめたりしていた部分だったので、本当に本当に教科書を得た気持ちです。

他にも読み応えありまくりの一冊で、こんな時期なので映画好きな皆さんにじっくり読んでほしい書籍です。
グッチーズ・フリースクールの今後の活動を一ファンとして楽しみにしつつ、とりあえずこの本が売れればいいなぁと心から思っています!

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text by ronpe

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