見出し画像

社会人大学院への出願:志望動機を5W2Hで整理しよう【全分野共通】

今回は、5W2Hの各項目の切り口から志望動機を考えて志望校選びの参考にしようぜ、という話です。
私は社会人としてフルタイム勤務しながら2020年夏に出願し入試を受け、2021年春から修士課程に通学開始し、2023年3月に卒業しました。

どの分野へ進学しても問われる「志望動機」の整理に必要な観点を順番に説明します。
同じ志を持つ方の参考になれば幸いです。

なお、本記事は時々見返して内容の追記や編集を行いますので、ご了承ください。


5W2Hとは

5W1Hはみなさんご存知の通り、

  • when(いつ)

  • where(どこで)

  • who(だれが)

  • what(なにを)

  • why(なぜ)

  • how(どのように)

です。
これにhow much (いくらで) を追加したものを5W2Hと呼びます。
それでは早速「上から順に」整理していきましょう。


When

いつ進学しますか。来年の春から?何年間?
進学に必要な期間と通学年数を見積もっておきましょう。標準通学年数というのをどの学校も出しているはずです。参考にしましょう。

Where

どこの学校に進学しますか。
ある人は、自宅から通える範囲の学校を選ぶかもしれません。
またある人は、職場の近くや通勤経路の駅を選ぶかもしれません。
あるいは、そこでしか学べないものを求めて、遠距離通学にチャレンジするひともいるかもしれません。
通わずに、通信制に活路を見いだす方もいるかもしれませんね。

ここまで検討した結果、「別に大学院じゃなくても良くね?」となるケースもあるでしょう。それはそれで良いと思いますので、迷いがあるなら複数選択肢を比較してみましょう。

Who

誰が、と聞かれたら「もちろん自分だよ」と答えたくなりますが、一息ついて。
どのような立場の「あなた」が進学するのでしょうか?
ある人は、企業から派遣されての進学かもしれません。企業派遣であれば推薦状を書いてもらうなり、企業派遣のための社内制度への応募が必要ですね。
またある人は、企業での活動とは完全に別の個人的な意思による進学かもしれません。個人の活動であれば、まず会社の就業規則を調べる(会社によっては別団体への所属そのものを禁じるところもあるため)ことが必要ですね。

ここを洗い出すと、次のタスクが見えやすくなります。

What

何を、どの分野を学びたいのでしょうか。
あなたは何に関心を持っているのでしょうか。
それは、過去および現在のあなたとどのように関連するのでしょうか。(かならずしも業務や過去の専攻と直結していなくて良いです。どのように/なぜ興味を持ったのか、を知りたいです)

たとえば「ビジネス」も、経営学/経済学 など、いろいろな学問分野からの切り口があります。「経営学」といってもその中にさまざまな分野があります。組織論、戦略論、イノベーション、それ以外にも多数です。
いちばん安く済む方法は、図書館に行って本棚を眺めることです。そうすれば、この棚が近いかも…というのが見えてくるはず。
間違っても、出版されたてホヤホヤの自己啓発本を片手にビジネスを語ったりしないように。アカデミックの世界の人にそれをやると100%シラけます…
学術(研究)と実業(ビジネス)の世界は別モノ、と肝に銘じておきましょう。

Why

なぜ進学するのでしょうか。
ある人は、かつて諦めた進学への再挑戦をしているのかもしれません。費用や時間の制約で過去にできなかったことを、制約がなくなったことで実現しようとしているかもしれません。
またある人は、自分が社会で果たしてきた役割を振り返って整理するために進学するかもしれません。

実は、whyよりも先にwhen〜whatを整理した理由があります。それは、when〜whatだけでは説明不能な理由「なぜ本学/本研究科を志望されたのですか」を炙り出すためです。
なぜ本学へ?
なぜ本研究科へ?
なぜMBAへ?
…どこの学校でも尋ねられそうです。

会社から近くて駅チカで学費安くて…。MBAに憧れて…。だけでは理由付けが弱いですよね。本学および本研究科でないとダメな理由があるはずです。あなたなりのwhy、本学や本研究科でないとダメな理由、炙り出していきましょう。

志望理由は書面でも面接でも、なんなら入った後でも聞かれますので、自分の言葉で説明できるようにしておきましょう。

How

ここまで整理してやっと”How”です。
いきなり”How”から入ったりしがちですが、どうか焦らずに。ここまで整理したことを踏まえてやっていきましょう。

出願

まず、どのように出願するか。
これは学校案内のホームページにたいていPDFデータで載ってますので、それをみましょう。
商魂逞しい学校ですと郵送サービスなどもあるかもしれません。懐具合や納期と相談して利用するか決めてください。

出願に必要な書類も早めに取り寄せましょう。過去の卒業証明書などは取り寄せに時間がかかることもありますので、余裕を持って。

入試

どのように入試を受けるか。これも重要です。学校によっては、出願前に研究室の指導教員と面接して相談してきてください、というスタイルの学校もあります(出願要項に明記されてます)。その場合はアポ取りから始まりますね。
学科試験を課す場合、過去問を取得できる学校もあります。取得の方法はさまざまで、窓口で閲覧のみ、コピー不可、など制約があります。決められたルールは守りましょう。(入る前からルール守れない人に入学許可が降りるとは思えませんね)

通学

どのように通学するか。これも意外と面接で聞かれます。学校側も、せっかく合格者を出すなら入学して卒業してくれる見通しのある人を選びたいですからね。
注意するべきは、自分の進学したい先が社会人を受け入れているかを確認することです。研究室によっては、先生の方針(あるいは体調やスケジュールなど諸般の理由)から社会人はNGということもあるかもしれません。
通学せずに通信制で学ぶという道もあるかもしれません。

How much

進学するとして、いくら掛かるのでしょうか。修士課程であれば、多くは受験料+入学金+1年目学費+2年目学費 といったところでしょうか。ここまで検討が進むと複数校が候補になるでしょうから、いつ/いくら必要か、調べてみましょう。結果を比較可能な表にまとめるのもおすすめです。
通学を考える場合は、通学のための費用も検討が必要です。東京-大阪間を通学のために移動する猛者もいましたが、その場合は交通費+宿泊費+食費なども1〜2年分は掛かりますね。(JRの通学定期券を利用することもできそうですが…)

学費が高いからといって諦める必要はありません。学費を支出するために受けられるサポートはあるのでしょうか。その学校にある奨学金制度なども調べてみましょう。

国の制度(教育訓練給付制度)もあります。働いている人でも使えます。行きたい学校や学科が対象になっているかチェックしましょう。
また、公立大学だと住んでいる地域によって割引がある場合もあります。入試要項を熟読しましょう。

参考になる本

ここまで整理して素材が揃えば、研究計画書の作成に移れます。参考書籍はこちら

この記事が参加している募集

ここまで読んでくださってありがとうございます。頂いたサポートは次の投稿のネタ作りに向けた軍資金として活用します。