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そもそも品質工学 第6話 クリティカルシンキング

YouTubeにて動画公開中!

今回はクリティカルシンキングのお話。
品質工学の機能や誤差因子を考える際にも使えますね。

この動画をUPした後、メンタリストDaiGoさんの動画をみていたら「クリティカルシンキング」という発言があって、びっくりしました。(^^;

メンタリスト DaiGo
本当に頭がいい人の5つの特徴」 
トラブル超回避スキルを身につける方法

現在のAIができないのがクリティカルシンキングです。
当たり前ですよね。自身のデータを疑ったら、何もできませんよね。
でも、人間にはそれができるのです!
(CI03は、それができるみたいですけどね・・・ふふふっ)

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・クリティカルシンキング
(批判的思考)
物事を客観的に判断するための思考法
批判といっても、批判するのは自分の良いと思ったアイディアを批判する。

最も危険なのは「絶対これでうまくいく」と思った時である。
  by  Macro-K

・~・~・~・~

ちょっと品質工学と離れた感じがするかもしれないけど、今回はクリティカルシンキングの話。​ 正直、クリティカルシンキングって言葉を知ったのは、ごく最近。でも、これを知る前から、私は社内で「そもそも研修」というのをやっていました。

 クリティカルシンキングの前に、「なぜなぜ」やロジカルシンキングの話をしますね。

 みなさん、「なぜなぜ」っていうのは知っていますよね?「なぜなぜというのを5回繰り返す」ってやつ。「なぜなぜ」​を行う目的は何だか知っていますか?問題解決なんです。すでに起きた問題の原因を探し、対策を打つということです。

 これ、複数人で行うことが通常だと思いますが、すでに誰かが知っている知識を場に集めて、解決策を見つけ出す手法です。つまり、「​知っているなら、問題が出る前に早く言えよ!​」ってやつなんです。問題解決というより、コミュニケーションのツールと思ったほうがいいと思います。

​​ 言い換えると、誰も解決方法を知らないなら、なぜなぜでは問題は解決はできないんです。​​

 誰かが知っていても、自分は知らなかった。そうか、そういう方法があったのか。勉強になった。「なぜなぜ」は、そういうことなんです。人材育成と既知の問題解決ができる手法なのです。

 では、未知の問題は?「なぜなぜ」では解決できない?そう、未知の問題は解決できません。え?そんなことない?じゃぁ、やってみましょうか。

「なぜ、リンゴは木から落ちるのか。」
​・強風が吹くから。→なぜ風が吹くのか。→地球が回っているから。→なぜ地球は回るのか。→あ?
・重力があるから。→なぜ重力があるのか。→へ?
・実と枝の接合部分が弱いから。→なぜ弱いのか。→は?

 暫定対策なら思いつきますかね。風を遮る壁を作る。実を支える網とかで、落ちないようにする。

 でも、「なぜなぜ」は、根本原因に対策を打つように考える手法です。根本原因は?地球が回っているから?重力があるから?どうしろと?w

 なぜなぜを「How」で掘り下げる方法も提唱されていますね。なぜなぜで掘り下げると、「不良を見落とした検査員Aが悪い」とか、「上司の管理が甘い」とか、人が悪いってことに行きがちです。なので、How​​​​​​、つまり方法で掘り下げるということです。どうすれば、リンゴは落ちなかったのか。そういう視点で掘り下げます。私の知識では、さっきの暫定対策がいいとこです。

 ロジカルシンキングは、話を論理的につなげましょうってことです。実はシンキングというより、納得性の高いストーリーを作りましょうってことなんです。ロジカルコミュニケーションなんて言い方もされています。論理的につながった話なら、相手も納得するでしょってことなんですね。

重力があるから、リンゴが落ちる。風が吹くからリンゴが落ちる。うん、確かにそうだ。納得できる。

…で?

 もちろん、MECEやらWhat・Where・Why・Howなど、状況を整理する方法などがあり、混とんとした状態なら役に立つでしょう。ロジカルシンキングの中では、なぜなぜなども使います。相手に伝わる理論建てもできるでしょう。整理された状態なら、何か新しい解決方法にも気づくかもしれません。もちろん、あなたが知っている範囲での解決方法ですが。知らないことに気づくことはできませんので。

 つまり、なぜなぜもロジカルシンキングも、うすうす気が付いていた、誰かが知っていた問題解決の方法に気が付くための手法なのです。そして、それを論理だてて問題と解決を結び付ける方法なのです。

 人間は、論理的思考が苦手な生物です。こういう場をもうけてわざわざやらないと、すぐに直観に走ってしまって、失敗するので、有効な手段であることには間違いありません。

じゃぁ、クリティカルシンキングは?
​​​今ある問題の定義や、自分の知識を疑う方法です。​​​
品質工学の考え方と非常にマッチする考え方だと思っています。

私の好きな言葉があります。アインシュタインの言葉です。

​「​常識とは、十八歳までに身につけた偏見のコレクションのことをいう。​」​

​​​​​​​​​自分の持っている知識、教えられた情報は本当に正しいのか。自分で確かめたのか。

宇宙空間に酸素がないってことは、多くの方が信じていると思います。じゃぁ、それって自分で確かめた人はいますか?ひょっとしたら、だまされているかもしれませんよ。(笑

これが、教育の恐ろしさです。先生や親、TVや雑誌、最近だとSNSなどの話をうのみにする人がいます。嘘やデマに流される人ですね。

あ、そうそう。宇宙空間には酸素はあります。少ないだけです。真空ではないので、多少は浮遊しているでしょう。酸素分子という形かどうかは疑問ですが。

で、クリティカルシンキングは自分の偏見を打ち砕く方法なんです。

まず、手法の説明の前に、必須のマインドを説明します。動画内でもCI03が説明していました。

「自分自身に素直になり、自分にうそをつかないこと。そして他人の意見に耳を傾けること。そして、他人の立場で相手の発言を理解すること。」

自分の偏見に気づくには、素直でないとできません。ガチガチ石頭の頑固おやじには無理です。自分とは違う価値の存在を素直に受け入れる度量が必要です。

 最近は傾聴スキルなんて言葉もよくきくようになってきました。皆さん、他人の意見を聞いているときに、「自分はこう思う」なんて思ってませんか?その時点でもう傾聴してません。相手の生きてきた環境、相手が現在置かれている状況、相手が保有している知識、それを考えながら、相手の現段階での価値がどこにあるのかを理解し、だからそういう判断になるのか、なるほど…と。これが傾聴です。

 これができると、メンタル不全や心の病気になった人のカウンセリングができるようになります。(w

 こういうことを繰り返していると、思考パターンの種類が増えてきます。クリティカルシンキングでは、スキーマと言います。考え方の枠組みです。

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 例えば、品質工学の実験をして、成功し、成果が出た事例があるとします。しかし、次の実験で、その担当者が品質工学を使わなかったとします。なぜか?

 主観的に考えれば、「前回うまくいったんだから、当然次回も使うでしょ」ってのが、思い込み。これが偏見です。

 相手の立場で考えてみましょう。重要なのは、相手の価値です。この価値によって相手は判断し、行動しているのです。実は、「上司から品質工学を使えと言われた。自分は別な方法でやりたかったのに、いやいや行った。」

 どうですか?やらされ感満載ですよね。当人とって、品質工学どうこうより、自由に実験ができないマイナスの価値が高いわけです。当然、品質工学を必須で使わなければならないという状況でなくなれば、自由に実験するでしょう。相手にとって、品質工学を使わないのは当然なんです。

 品質工学を使うと給料が上がるとか、表彰されるとか、外的なモチベーションが上がる仕組みがあれば使い続ける人もいるでしょうね。ただし、上司が変わって給与査定と関係がなくなったとか、表彰されなくなった瞬間にやらなくなります。

 サポートしてくれた品質工学指導者が性格的に高圧で、指導者が嫌い。だから品質工学も嫌い。品質工学を使えば楽かもしれないが、坊主が憎ければ袈裟まで憎いってことで使わない。
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 どうですか?品質工学指導者の思考の枠組みと、実施者の思考の枠組み(スキーマ)が違いますよね。このような枠組みを、1つの事実からたくさん作り上げるのが、クリティカルシンキングです。そして、その枠組みを客観的な数値や他の事実から検証をしていくのです。

 最初の「成功したから、絶対次回も使うはず」ってのが、頑固おやじの石頭では崩せないんです。「はず」「絶対」「必ず」「当然」「きっと」「~でなければならない」なんて言葉が出てきた時点で、「​偏見​」だと思うこと。相手の価値ではなく、自分の価値で判断してしまっているということです。

 クリティカルシンキングの手法は、ここでは語り切れませんね。
そのうちに専用動画でも作れたらいいのですが。

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