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そもそも品質工学 第14話 本質は同じ

YouTubeにて音声付き動画公開中!

シミュレーションと実際が合わない。
問題が続きっぱなしの実験。
やはり品質工学は使えないのか?

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品質工学で実験をして、上手くいかないとき、ほとんどの方は品質工学が悪いと言います。

本当は、実験の仕方や機能、誤差因子の取り方がまずいだけなんですけどね。

品質工学は実験と同時に、技術者の技術者としての能力を測ります。だから嫌われます。能力の無さが露呈するからw

みんな、自分のダメなところは見たくないですからね。(^^;

しかし、品質工学を使うと、機能が同じなら、アイスも射出成型も同じになります。このあたりが理解を妨げる要因の1つなのかもしれませんね。

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さて、評価方法で行き詰ったつとむ君とクミちゃんの2人は、息抜きの休憩をします。

あ、そうそう、ある有名な実業者の方が言っていました。

10分考えて判断ができなければ、情報が足りないだけ」と。

判断できるだけの情報があれば、どっちを選ぶのかなどの判断を下せるのです。完璧な情報というのは無く、未来のことなどもわかるわけもありません。ある程度は勘や経験で補う必要があります。検索してもわからないことはたくさんあります。

短く集中して考えて、答えが出ないときは放置するそうです。で、この放置しているときでも、頭の片隅で考えているそうです。なので、散歩しているときにアイディアが浮かんだり、お風呂に入っているときにアイディアが浮かんだりするのです。
​​
この2人のそんな状態になっているのかもしれませんね。

で、複線回収。第1話でしたっけ?チョコモナカジャンボ2個で品質工学の実験を手伝うという約束をしたのは。

チョコモナカジャンボとハーゲンダッツでは、価格が2倍ぐらい違いますが…そこはさすがクミちゃん、押し切ります。(^^;

​​​​ちなみに、よく「今日は仕事頑張ったから、いつもより高いスイーツを買おう!」とか「仕事が一区切りしたから、今夜は飲みに行こう」とかいうのは、本当は自分にとってマイナスの価値(ダイエット中とか、懐が寂しいとか)なのに、それを正当化して精神を安定化させる作用なんです。

一言でいうと、「自分への言い訳」です。みなさん、そんなことしていませんか?​​​​

さて、本題へ戻りますね。

品質工学を長くやっていると、本当にこういう思考になります。
一見関係ない2つですが、本質では同じだと思えてしまうのです。

具体的な話を抽象化された次元で比較できるようになります。別に品質工学に限った話ではないと思いますが、何かしらの手法や思想をとことん突き詰めていくと、こういった思想にたどり着けますね。

なので表題の通り、「​本質は同じ​」なのです。
アイスだろうが、プラスチックだろうが、同じに見えてしまうのです。

そして、人間は問題が最終的に発現している場所に目が行きます。今、最終製品でこういった問題が起きている。ここで対処するには…という思想に陥ります。

しかし、その問題の種を植え付けている場所は多くの場合、異なります。最終製品の段階でいくら手を打っても、対処療法です。

金型で出来上がったところで問題が出ているので、金型でなんとかしようとします。しかし、それは対処療法な場合が多いです。今、この瞬間は良くなっても、少し条件が変わると、問題が再発したりします。

射出成型の専門家は、その日の状況(温度・湿度・材料・不良状態)を見て、パラメータを微調整して良いものができるようにしていることが多いです。交互作用をふんだんに使って、対処療法でなんとか良いものができるようにしているのです。

そんな状態を見た上司に言われたりしませんか?
プロセスを見直せと。
一瞬、「射出成型機のことを何も知らないくせに」なんて思うかもしれません。

まぁまぁ、冷静になって考えてみましょうか。
その問題の種がどこで植え込まれているのか。最終製品の段階で花開いているところは目立ちますが、どこかでひっそりと植え付けられているはずです。

この視点に移るには、「そもそも」が必要になります。クリティカルシンキングです。当然と思って、見えているのに見えていない部分が必ずあります。そこにいかに気づくか。気が付いていない部分に必ず問題はあります。だって、気が付いていたら対処しているでしょ?

これは、日々の生活の中で、訓練してないと、見えません。

質問です。
あなたが、会社の玄関から、自分の居室へ入るまでの間、何個の消火器がありますか?

まぁ、ほとんどの人が答えられないでしょう。あの真っ赤な、目立つ消火器、ここにありますと札があったり、ランプがあったり。

でも、あまりにも当たり前だから、見えているのに、意識していませんよね。なので、あなたにとって、消火器は無いのと同じです。

あなたが、設計しているもの、開発しているもの、やっている仕事、全てに言えます。

日頃から、「あれ?これなんだ?」とか「なんでこれやっているんだっけ?」とか自問自答しつづけてください。最初は頭が疲れます。

当たり前ですね。日ごろ使っていない筋肉を使えば、筋肉痛になります。しかし、し、何度も使っていると、それが楽にできるようになります。

日頃ランニングしていない人に、40km走れって言っても無茶ですよね?しかし、日ごろから走り込みをしている人は、走れてしまいます。

一言でいうと、「日ごろから考えましょう」ってとですかね。​​​​​​​

あー、今日は頭を使った。​​健康診断が近いけど、糖分が欲しくなった。アイスでもたべるかーって、言い訳を作って食べないようにw

ここでは、MTシステムについてはさらっと触れています。次の15話でも深くは触れていません。また、MTシステムについては、別な期で取り上げて、詳細を説明したいですね。(^^)

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