そもそも品質工学 第12話 直交表の真の目的
実験の前準備は完ぺきだ!
いざデータ取得して成果を出すぞ!
・・・でも?
こういうことって、よくありますよね?(謎
実験したのはいいが、結果が思うようにならなかった。
そもそも、品質工学で直交表を使う目的は、実験回数を減らすことではない。
問題を早く見つけることが目的だ。
世の中に失敗はない。
あるのは経験と成長だけだ。
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新キャラ、覇武工場長の登場の回。
覇王の覇に武王の武です。思いっきり武闘派w。
まぁ、竹刀も持ってますからね。(^^;
話を元に戻して、テーマは直交表の話ですね。
直交表を使う目的は?
実験回数を減らす?バランスよく実験する?
違います。早く実験を失敗すること。早く問題に気づくこと。
ここでの早い遅いという意味は、市場に出る前に、量産する前に、開発段階で問題に気づくという意味です。
もし、問題に気づかずに市場に製品を流してしまったら、大クレーム、最悪リコール、会社のイメージダウンに繋がります。近年はSNSなどであっという間に広がりますからね。大ダメージです。
多くの方は、直交表を使う目的は、「最適な組み合わせを見つけるためじゃないの?」って思っているかと思います。もし、直交表で見つけた良い組み合わせで、確認実験をして、ばっちり再現性があったとします。
それ、直交表でやった意味がなかったということです。だって、すべての制御因子が加法性があった、足し算が成り立ったということです。
直交表を使わなくても、1因子実験や、山登り実験のように、1つ1つ因子の効果を確かめて、いい条件を積み重ねていけば、頂上にたどり着いたということです。
直交表で組み合わせたら、想定外の組み合わせの効果、「交互作用」があることを発見した。制御因子間の交互作用を見つけたとき、直交表を使って確認しておいてよかったということになります。この時に初めて、直交表の意味が出てくるのです。
そうそう、直交表を使うと、1因子実験より回数が多いなんて言っている人がいますが、本当にそうでしょうか。計算してみましょう。
例えば、直交表L18、2水準1因子、3水準7因子。
直交表は18回の実験と確認実験2回とします。合計20回。
1因子の実験回数は?
A1とA2を変化させ、後は固定。A2の方がいい値だとします。次に、A2の条件で、B1、B2、B3と3回変化させて実験します。そして、B2が良かったとします。つぎにA2B2の条件で、C1、C2、C3と変化させた実験をします。これをH1、H2、H3までやっていくと、何回になるか。
2水準×1回+3水準×7回=合計23回
あれ?直交表L18の方が、3回少ない。さらに直交表使うと、交互作用の有無までチェックしてくれます。
この話を聞いて、まだ「1因子実験の方がいい」なんて言う人がいれば、理屈じゃないんでしょうね。
そして、この話。
「世の中には失敗は無いの。あるのは経験と成長だけ。」
「事実、あなたは失っていないし、敗れてもいない。」
「今回の結果から、あなたは新しい知識と経験を得ただけなの。」
CI03の名言集があったら、真っ先に載せたいですね。人間は、教えられることから得る知識は大したことはなく、経験からは多くの知識と知恵を得ることができます。
もし、あなたが何かにチャレンジしようとしたとき、誰かに「やめとめ、そんなの失敗するから」と言われたら、こう言いましょう。
「あなたは、まったく同じことにチャレンジしたことがあるのですか?参考にしたいので、是非その時の体験談を聞かせてください。」と。
まぁ、たいていの人はやってないですね。やったこと無いなら黙ってみてろって感じです。やっていたとしても、時代が変わっているので、まったく同じ状況ではないですよね。
人間はリスクを過大評価し、行動せずに現状維持を好みます。ぜひ、このブログをみている皆様は、チャレンジし、経験し、他の人の数倍の経験量を保持し、少ない情報から多くのことを客観的に見通せるようになれるようになりましょうね。
もちろん、節穴な私も含めてですが。
先の文章は、ほとんど自分への戒めですね。(^^;
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