そもそも品質工学 第13話 演繹法と帰納法
★YouTubeにて動画公開中!★
実験データが半分しかとれなかった・・・
さぁ、どうする?つとむ君、クミちゃん。
みなさんは、演繹法と帰納法って知っていますか?
三段論法とかといっしょに理解しておくと、誰かに何かを説明する際に役立ちますよ!
演繹法
理論や一般論から結論を導く
帰納法
事実の共通点から結論を導く
品質工学は事実から推論する。
理由は後からいくらでもつけることができる。
カラスは黒い。白鳥は白い。
そう思っている人は、残念ながら、常識という固定観念に縛られています。
クリティカルシンキング同様ですが、自分の常識の殻を破りましょう!
"Truth is stranger than fiction."
「事実は小説よりも奇なり」
by 英国の詩人バイロン
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一瞬、品質工学と何の関係が?って思われるかもしれませんが、すごく関係があります。
まず、御存じかと思いますが、演繹法と帰納法の違いから。
●理論からやセオリー、ルールや一般論から結論を導き足すのが演繹法
例えば、梅雨の時期で、曇りである。湿度も高い。
セオリーとしては、傘を持っていくという結論を導き出すはず。
演繹という漢字から考えてみよう。
演:引き延ばす
繹:糸口から糸を引き出す
ということで、絡まった糸をほぐすイメージです。
●事実の共通点から結論を導き出すのが帰納法
天気予報で雨マークだった。
友達が傘を持っていた。
ここ数日雨が降っていた。
→雨が降るだろうという結論になる。
この動画では、これまで見たカラスは黒いから、事実の共通点としてカラスの色は黒と断定してましたが、事実の範囲が狭いと、間違った結果を導いてしまう。
実際には、白いカラスがいる。
あ、黒い白鳥もいるみたいですよ。
帰納という漢字から考えると…って説明不要かな?w
帰:かえる
納:おさまる
ということで、もののサヤに納まる感じですかね。
品質工学は、帰納法です。
ある計算をしていた時、理屈と事実が合わなかったことがあります。
その際に、田口先生から言われたことがあります。
「もし、事実と数学が合わないなら、数学が間違っています。」
いや、マジかって話ですよ。
1+1=2が正しいと学校教育で教えられてきた自分としては、数学は絶対に疑いもしません。田口先生の視点は、はるか先を行っています。
それだけ、事実に重点を置いています。理論や推論じゃないんですね。
田口先生にテーマを持っていくと、必ず言われます。
「具体的には何ですか?」と。
一般論では、話を聞いてくれません。
「いいですか?一般論では全く意味が無いんですよ。」
って、よく耳にしました。
田口先生は空論や仮定や例ではなく、事実にしか興味が無いんです。
私なんかも教育時に「三現主義が大事です」なんて言いますが、田口先生にしたら、口先ばかりですね。まだまだ修行が足りません。
もし、数学や推測、推定、確率論、シミュレーションで結果がわかるなら、品質工学は不要です。だって、実験しなくてもわかるんですから。
じゃぁ、なんで実験するのか。数学や推測、推定、確率論、シミュレーションじゃわからないからですよね?
シューハートの管理図も実は本質は同じなんです。事実が確率論と異なることから、管理図を思いついたのです。これについては、また別な動画で詳細を説明したいと思います。
なので、品質工学は統計学の一種みたいな扱いを受けていますが、実際には違います。統計学では解決できないから、品質工学を使うのです。品質工学では分布を否定します。だって、本当は正規分布しないでしょ?ただ、ばらつきの大きさを表すのに便利だから、便宜上使っているだけです。
このあたりが、品質工学の理解をさらに難しくしている理由でもあると思っていますが。(^^;
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