孵化厳選について


1.孵化厳選とは

ポケモン対戦において重要な要素となる「個体値」のより良いポケモンを探すにあたり最も効率の良い厳選方法。
育て屋に同じタマゴグループの♂♀を預けるか、メタモンと一緒にポケモンを預けることによって、ポケモンがタマゴを作ることがある。このタマゴから生まれるポケモンは親の性質を受け継ぎやすいという仕様があるため、親に高個体値のポケモンを用意すれば効率的に高個体値のポケモンを用意できる。
なお、タマゴは、♀のポケモンの未進化系が生まれる仕様となっているが、メタモンは雌雄に限らずメタモンじゃない方のタマゴとなる。また、メタモンは性別不明のポケモンとでもタマゴを作れるがメタモン同士ではタマゴができない(=メタモンはタマゴが存在しない)

2.遺伝のしくみ

前述のとおり、タマゴから生まれてくる子ポケモンには親の性質が遺伝される。遺伝に影響のある要素は以下のとおり。

(1)個体値
(2)性格
(3)特性
(4)技
(5)ボール
(6)すがた、フォーム

(1) 個体値
個体値は両親のHABCDSの計12の要素から子の各パラメータにランダムに3つ遺伝する。残りはランダム。具体的に言うと、

HABCDSがAll31の親とAll0の親から生まれるポケモンは、HABCDSのうち3つが0or31になり、1/8の確率で3Vになる。

つまり6V同士で預けると確定で3Vの子が生まれる。(6Vメタモンが対戦環境において大幅に育成環境を改善させるのはこの仕様があるから)
アイテム「あかいいと」の隠し効果として、このステータスの遺伝数を3つから5つにするというものがあるので、基本的に廃人の育て屋にはあかいいとをもった6Vメタモンが常駐している。
また、「パワー系(パワーアンクルetc)」のアイテムを持たせると、持たせたポケモンのそのパワー系に対応したステータスの個体値が必ず遺伝するという仕様があるが、このあかいいとの仕様が出来てからはあまり使われてない。

(2)性格
性格は25種類からランダムで抽選される。しかし個体値よりパラメータに影響する要素の性格が1/25の運ゲーだとまずいとゲーフリも思ったのか、アイテム「かわらずのいし」を持たせると、その持たせたポケモンと同じ性格のポケモンが生まれる仕様になっている。(昔は50%だった…)
ちなみに、今作からミント系アイテムで性格を任意のものに変更できるが、交換に必要なBPが高くめちゃくちゃコスパが悪いため、基本的にはかわらずのいしを持たせてタマゴを作ることが多い。

(3)特性
通常特性を2種類持つポケモンは50%の確率でランダムで決まる。性格において遺伝に関わってくるのが夢特性である。夢特性は親の♀が夢特性だった場合、確率で遺伝される。
これには例外もあり、親がメタモンの場合は♂が夢特性でも遺伝の対象となる。ただし、メタモンが夢特性だとしても遺伝には一切関係しないので注意。ちなみに、♂の夢特性×メタモンと♀の夢特性×メタモンだと、後者の方が夢特性遺伝の確率が高い。
通常特性が2つあるポケモンの厳選は完全なる運ゲーとなるが、アイテムの「とくせいカプセル」を使えば特性を変更できるという救済措置がポケモンXYから追加された。
※夢→通常、通常→夢の変更はできない。
【追記】剣盾は最新版アップデートで「とくせいパッチ」というものが追加され、通常特性から夢特性への変更が可能になったとのこと。もうなんでもありだよ

●夢特性が遺伝しない組み合わせ
♂(夢)×♀(通常)
♂(通常)×メタモン(夢)
♀(通常)×メタモン(夢)


(4)技
ポケモンにはそれぞれ、タマゴから生まれた時に遺伝する技が決められている。これを「タマゴ技」と呼び、通常のレベルアップや技マシンでは覚えない技も含まれることがある。対戦環境で活躍するにおいては、タマゴ技が必須となるポケモンもかなり多い。(ガブリアスのげきりんやマニューラの冷凍パンチなど)
♂のポケモンが生まれるポケモンのタマゴ技を持っていた場合、優先的に遺伝される。
なお、昨今のポケモンでは親同士でタマゴ技をコピーすることができる(育て屋にタマゴ技を覚えた同種のポケモンを預けると、もう一方の覚えてないポケモンにタマゴ技がコピーされる)ため、理想個体を厳選するときにタマゴ技を考慮する必要がなくなっている(通称:横遺伝)。なんて便利なんだ。

(5)ボール
対戦には直接影響しないやり込み要素だが、生まれたポケモンは♀のボールを遺伝する。プレシャスボールやマスターボールなどの特殊なボールは遺伝しない。

(6)すがた、フォーム
基本的に親が通常の姿でも、リージョンフォーム(ガラルのすがたetc)でもガラルで生まれた場合はガラルのすがたのポケモンが誕生する。通常の姿のポケモンが欲しい場合は、通常の姿のポケモンに「かわらずのいし」を持たせる必要がある。

3.厳選方法


以上の仕様を踏まえると、基本的な厳選は、以下のようになる。

高個体値メタモン
@あかいいと

×

厳選したいポケモンと同種族のポケモン
@かわらずのいし


必要な要素としては、メタモンは
・高個体値(できれば6V。難しければつくりたいポケモンの必須のステータスがVであるポケモン)

もう一方は、
・つくりたいポケモンと同じ性格
・夢特性が必要な場合は夢特性持ちであること
・リージョンフォームをつくりたいなら親もリージョンフォームであること(かわらずのいしを持たせるため)
・可能な限り高個体値


「求められる要件が多いなぁ…」と思うかもしれないが、もう一方を、より理想個体に近いポケモンにどんどん変えていけば、理想個体の確率は上がっていく。
例えば、6Vメタモンと性格一致Vなしのポケモンを育て屋に預け、1Vで上記要素(夢特性など)を満たすポケモンが生まれた場合に、親をこのポケモンにし、さらにそこから2Vのポケモンが生まれたら……と、どんどん親のVを増やしていくのが育成の基本となる。
また、適当にネットでランダム交換等をしても孵化余りでS抜け5V(SがVでないため対戦では使えない)性格一致夢特性個体などがゴロゴロ手に入るため、それらを親にしてスタートするともっと孵化厳選が早く終わる。

余談だが、ポケモンはシーズンが新しくなるごとに厳選が楽になってきており、昔(BW時代)は
・性格遺伝が50%
・タマゴ技は親が絶対持っていなきゃいけない
・特性、個体値、性格は変更不可能
・個体値によって威力、タイプが変わる技「めざめるパワー」の厳選が必須のポケモンがいた
※めざパは剣盾は技自体が存在しておらず、BDSP等では威力が固定されている

等の運要素が多く、孵化中に色違いが生まれても泣く泣く対戦運用を諦めたり、理想個体だけど性格が違うなどのギャンブルに負けることが多々あったり、預けたポケモンが孵化作業のしすぎでレベルが上がりタマゴ技が別の技に上書きされている、等のトラブルがあり、理想個体を厳選するのに1か月かけることがしばしばあった。俺は5V&S逆Vナットレイの厳選に3週間かかったことがある。

ともかく、育成のハードルはどんどん下がっており、対戦人口も増えたことから育成環境を整えやすくなってきている。
みんなが思っているよりも難しいものではないと思うのでみんなもポケモン対戦、はじめよう!

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