節税目的の投資と稼ぐ投資①
今回は所得税、法人税の節税対策について検証してみました。(長くなってしまったので２回に分けました)
世の中には、いろんな節税商品があります。
その代表的な例として
1. 保険
2. オペレーティングリースによる節税があります。
（ちなみによく勘違いされる不動産特定共同事業法の商品は時価と相続税評価の差を利用した相続税対策のスキームです。）
オペレーティングリースとは
航空機、コンテナ、船舶などのリース会社がそれらを購入し、エアラインなどの事業会社が借りる（リース）することです。
リース会社は購入資金を投資家から出資を募りますよね。出資持分を保有する投資家は「減価償却費」などの損失がリース料などの利益を大きく上回り、法人の本業の利益と損失を相殺して法人税を減らし、利益を後期に先送りできるのです。投資家は出資額以上に損金を計上できるこのスキームは、（税制が改正されてオペレーティングリースへと切り替わった経緯がありますが）つい10年ほど前まではレバレッジドリースといわれていました。
商社、オリックスなどの金融会社やFPGなどの専門業社が節税目的の金融商品として小口化して富裕層向けに販売していますが、いずれも一口最低1億ほどのキャッシュが必要です。スキームとしてはいいと思いますが、節税するにしても多額のキャッシュを必要とします。この商品自体にレバがかかっていて、出資額にレバをかけることをできません。キャッシュを手元になるべく貯めておきたい弊社の方針と合わないのです。
そこでキャッシュをほとんど使わずに、節税できる方法を考えました。その一つはカーシェアです。貸自動車の場合は、期間4年で償却できるため、例えば1000万の車を購入したら、年間250万を償却費として費用計上できるのです。
カーシェア業界では
1. カレコ
2. タイムズカープラス
3. オリックスカーシェア
4. アースカー
が大手4社とされています。(ちなみに私は新卒１社目に○井不動産系列のカレコに関わる部署にいました笑)
最近ではDeNAが「エニカ」という個人間のシェアリングサービスを始めたりと、異業種や新興企業など続々と参入し始めています。
上位4社の中で唯一直営ではなくフランチャイズ化運営しているオペレーターが「アースカー」です。プリウスなどのエコカーはもちろん，GT-Rや86といったスポーツカーや，BMV，ベンツ，ポルシェなど輸入車種が豊富で有名です。
では実際に運営する場合の収支を検証してみましょう。
アースカーが提供するサービスプランは以下の通りです。
【初期費用】
1. 車両代（仮） 500万 ※車種はFCオーナーが選択。
2. フランチャイズ加盟金 50万
3. 開業キット 37.87万
合計 587.8万
※他にも取得税、重量税、車検などが諸費用としてかかります。
【収支計算(一台あたり月額）】
収入（利用時間ベース） 12万 ※平均6時間×稼働25日×800円/時間
収入（利用距離ベース） 3万 ※平均80km× 稼働25日×15km/時間
ソフトウェア利用料 - 3万 ※1加盟者につき一式
駐車場代 - 3万
税金・保険料 -1.8万
ガソリン代 -2.3万
減価償却 -10.4万
支払利息 -0.8万 ※金利2%、フルローン
税引前利益(EBT) -6.3万
- 元本返済 -3.75万 ※ 期間10年、K%11%
+減価償却 +10.4万
CF 3.6万
この収支想定では、取得価格対比でCF比率7.3%となりました。
25日・６時間・平均60km稼働をどうみるかですが、これなら収支としては悪くないですね。
ただし、一つ注意点があります。
自動車ローンの金利はせいぜい2%ですが、問題は借入期間です。（ちなみに私が調べた限り、金融機関の最安金利は東京信用金庫の1.70%でした。※固定金利、エコカー割引適用。キャンペーンで自動車メーカーが金利負担をする場合あり)
期間は長くても10年。期間5年がしかないとK%は20%にもなります。
不動産などとは全く違うことを理解して、稼ぐ商品ではなく、これはあくまで節税商品として割り切るならいいかもしれませんね。
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