トップガン マーベリック

先週、ポイントが貯まっていたので、それを使ってIMAXレーザーで「トップガン マーベリック」を観た。
書こうと思っていたのに、 1週間経ってしまった。

トニー・スコット監督による前作の「トップガン」は1986年の作品で、実に36年ぶりの続編が公開となった。
前作「トップガン」は、トニー・スコット監督の真骨頂の漢気溢れる熱い作品の傑作。
その続編なので、どうなるのかなぁと思っていた。
主演のトム・クルーズが、作品に惚れ込み製作権を買い取って機が熟すのを待っていたらしい。それとコロナ禍になって公開延期が重なりこれだけの時が経ってしまったようだ。
トニー・スコット監督は亡くなられてしまったが、再びジェリー・ブラッカイマーが製作に参加し、トム・クルーズが信頼する監督と脚本家が集結して観応えのある作品で、ともてよかった!
ボクと同じように80年代の映画が青春ど真ん中だった方には、楽しめる作品だと思うw
冒頭、前作のようにケニー・ロギンスの「デンジャー・ゾーン」が流れて空母看板のジェットエンジンの轟音と共に戦闘機の発着とクルーの仕草の映像が流れる。もう強制的にトップガンの世界に引き込まれてしまった。
以下、ネタバレがありなので要注意。

ピート・“マーベリック“・ミッチェルは、新型機開発プロジェクトの一員として人類未到のマッハ10を目指していた。
が、昨今の軍事技術は、ドリーンなどによる無人戦闘の技術開発の投資になり、有人での戦闘機開発の優先度は下がっていて、チェスター少将からプロジェクトの中止が下ったいた。
チェスター少将が来る前に…鬼の居ぬ間に的な感じでw…マーベリックは命令を無視して試作機に乗り込みマッハ10への挑戦に向かい、そして前人未到のマッハ10に到達!
が、ここで止まるマーベリックではなかった。その先を目指したいという欲望に負けて10.1…10.2…10.3…、そして試作機は限界に達して破壊してしまう。
本来であれば、もうパイロットの道を断たれるところを、トップガンの教官を命ぜられる。これは盟友アイスマンの後ろ盾だった。
トップガンの選抜パイロットたちに、超難易度の高いミッションをこなすための訓練を行い、実行編隊の選抜を行うことがマーベッリックの役割となた。
というプロローグだ。

トム・クルーズ演じるピート・“マーベリック“・ミッチェルが帰ってきた!
以前のように型破りというか向こう見ずなところと、歳をとりマーベリックの内面的なところの二面を見ることがでる、いいストーリーだった。
トム・クルーズがマーベリックをいい感じで演じています。
作品と主人公に惚れ込んで作品を製作しているだけのことはある。
前半でペニーのお店から投げ出された後のルースターを見つめるところ、アイスマンとの再会、ペニーとの関係、飛行禁止を言い渡された後にミッション訓練のフライプランをやり遂げてみせるところ、そしてラストのミッション、と硬軟の演技がいいてす。

バル・キルマー演じるトム・“アイスマン“・カザンスキー大将も帰ってきた!
トム・クルーズが、バル・キルマーが帰ってこないなら続編はやらないと言っていたそうで、バル・キルマーも出演を熱望していたそうだ。
バル・キルマーは癌を患って喉の手術をされていたこともあり、出演のシーンもそれをベースにストーリーが組まれていた。こればバル・キルマーがアイディアを出したという話を目にした。
そういう事情もあって喋るシーンは少ないが、ここぞのところでの喋るシーンは、何とも言えず感動で涙が自然と溢れてしまった。

マイルズ・テラー演じるブラッドリー・“ルースター“・ブラッドショウは、マーベリックが父親グースのパートナーであり飛行中に死亡したことを知っていて、かつ空軍入隊を妨害したと知っている。
なので非常に気まずい関係性、ただパイロットとしては尊敬する、そんな複雑な心境の役を控え目な感じで演じている。
最初の飛行訓練でマーベリックから声をかけられた時と、クライマックスでの戦闘機に乗り込む時、そしてラストへとマーベリックと関わるルースターの表情、会話の仕方、目線が変わっていくところがいい。
いろいろな役を演じてきて、今や中堅で活躍する素晴らしい俳優さんだと思う。

ジェニファー・コネリー演じるペニー・ベンジャミンは、今回からのキャラクターで、以前にマーベリックと関係があった設定みたい。
独立した女性でペニーなりの生き方をしているが、マーベリックのことをよく知り、理解し、支える役となっている。
ジェニファー・コネリーは、歳を重ねてもチャーミングで華がある俳優さんだ。サイドストーリーとして、マーベリックの心の支えになる役を明るい感じで演じていて、とても印象が良かった。

まず、書かないといけないのは、やはりマーベリックとアイスマンの再会のシーンです。
2人の関係は、前作での確執から実戦で絆に変わり、その絆が長年に渡って育まれてきての、あのシーンだったんだなと思うと、すごく感慨深い。
時代は変わり、スマホのメッセンジャーでお互いメッセージのやり取りをしているところを見ると、お互いが気にかけているのが感じ取れました。マーベリックのスマホに「ICE」のアイコンが、なんか愛らしくてよかった。
そして、再会シーンでの会話の雰囲気は、前作のライバル同士のバチバチした会話ではない、お互いを尊重し合い、思いやりながらの会話だった。
会話の最後に、声を発するのも辛いはずのアイスマンが自らの声でマーベリックだから信用して今回の訓練を任せたんだと伝えてハグするところは、2人の絆の強さが感じられて、もう本当に涙が溢れてきてダメだった。

もおひとつは、マーベリックとルースターの関係だ。
マーベリックにとって、ルースターは見守る存在だ。
グースの妻キャロルからの言伝もあり、マーベリックにとってはずっと気にかけている存在なのだ。
そんなルースターが、トップガンのメンバとしている。マーベリックも気まずく、少し素気なくしてしまう。
そんなマーベリックの内側のようなところが描かれていて、マーベリックの人としての厚みも表現されている。
出撃の時にマーベリックと共に出撃をするパイロットの選抜でルースターを選び、そしてラストでのF-14で世代を超えたミッチェルとブラッドショウのペアでのフライトです。
操縦技術ではグレン・パウエル演じるジェイク・“ハングマン“・セレシン大尉の方が上なんだよね。ただ独善的でチームのところを考えないところがある。ルースターは周りを見ながらだが行動が遅い。
そんな2人からルースターを選んだマーベリックは、吹っ切れることができればハングマンよりも上だと見込んだからなんじゃないかと。
F-14のシーンは、往年のマーベリックが戻って、嬉しくなるシーンだった。

観終わって、高校時代の部活のことを思い出しました。
高校では、剣道をやっていたが、どうしても勝てないヤツがいた。
試合では、1本取るのがやっと。力でも技でも敵わなかった。
高校では、運もあって県ベスト8に入ることができたが、ヤツらとは当たらなかった。当たっていたら、やっぱり勝てなかったのではないかと思う。
マーベリックみたいにすごかった。
そんなヤツらを思い出した。

もう一つ思ったのは、タックマンモデルだ。
戦場や宇宙のような、命がかかった場所に向かう人たちは、強制的にタックマンモデルにある形成→混乱→統一→機能という期を過ごすことになるんだなと。
だから、統一期からは絆が強くなっていくんだなぁと。
ボクの仕事場もプロジェクトを組みミッションをやり遂げる仕事がある。
ただ、混乱期…つまりお互いに考えや想い、感じたことをぶつけ合う時期というのをあまり見ない。
避けている人が多いようにも思う。
ただ、ボクが思っている混乱期とは、ある意味口喧嘩みたいな言い合いするシーンを想像している。
が、みんなそのような殺伐とした雰囲気ではないが、なんかしっくりこない時期を過ごしているのかもしれない。
ボクは、あるプロジェクトで、色々と言いたいことをぶつけ合った仲間がいた。
今も、すごく仲良くさせてもらっていて、仕事は一緒じゃないが、時にはどうしているか気になり、そして会って話したいと思う人たちだ。
以心伝心というは、すぐにできるものではないし、自分が正しいと思うことが、他の人には正しいことではないこともある。
これは、自分が思っていること、考えていること、感じていることを、言葉で伝えないといけないのだ。
それがあり、お互いがどういう考え方や感じ方をするのか、どういう人なのかを理解し合って、それで以心伝心に近付いていくのだ。

この作品は、ある意味、青春ものだ。
次を背負う若い世代が、いろいろな壁にぶつかりながら絆を深めて、やり遂げるべきことに立ち向かっていく。
想いのぶつかり合いは、ボクはすごく好きだ。そして感動する。
熱い想いのある人たちと一緒に過ごせる時間がとても幸せだ。仕事もプライベートも。

そんなことを観終わった後に思った。

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