竜とそばかすの姫

竜とそばかすの姫」をIMAXレーザーの環境で2度鑑賞。
https://ryu-to-sobakasu-no-hime.jp/

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細田守監督の、若者の純粋さと危うさみたいなものを、ストーリーに溶け込ませて表現される力にただただ敬服です。
時をかける少女」の真琴、「サマーウォーズ」の健二、「おおかみこどもの雨と雪」の雨と雪、「バケモノの子」の九太、「未来のミライ」のくんちゃんとミライちゃん。
そして、「竜とそばかすの姫」の鈴。
ちょっとだけストーリーに触れます。

主人公 鈴が歌えるようになることで、想いが解き放たれ、そして人の心に寄り添えるようになる。
そして、竜の心を感じ取り、母の想いに触れる。
ストーリーが進むにつれて、鈴の表情が変わってくる。
そして勇気をもって行動に出る。

Uに登録して、竜とコミュニケーションをとるために、そんな要所要所でのベルの歌が心に沁みる。鈴の心が詩となって表現されているのです。
竜の心の傷を理解し、竜の本当の姿と状況を理解し、行動する。
それぞれのシーンでは、涙がもう。
そして、お母さんの行動を理解する鈴、鈴を想うお父さんの言葉は、涙が溢れ出てしまった。

世の中はインターネットの普及で情報に溢れている。
ただ、上辺だけの情報で人を判断するのはいつの時代もあり、現在はインターネットでそれが増幅されやすくなっているという状況なのでしょう。
コミュニケーションが取りやすくなる一方で、間違った理解も進みやすくなっているのも事実。
そんな中で、その人を想いや状況を理解しようとすることもせずに判断されてしまう世の中で、鈴が動く。
どうしたら相手を理解し理解してもらえるか、何が正しいと判断するか、必死に考え、葛藤しながら決断して行動する鈴に共感するのです。

大人が観るべきだと思った。
ボクは、正しく子供をサポートできるのか?
ボクは、その人のことを理解しようとしているか?
本当の意味で完全に相手のことを理解することはできないでしょう。
でも、理解しようと努力しないと、近づくことができない、共感することもできない。そうしようと思い行動することで、心のこもったやり取りができるのでしょう。

映画は、その時の状況や感情の状態で、感じ方が変わると思う。
ボクは、子供が生まれて親という立場になり、子供・若者の機微や親の心情みたいなものに、すごく感情を動かされるようになった。
「竜とそばかすの姫」では、鈴と母親・父親、そして竜と家族の関係と心情が、ボクの心に訴えかけてきた。

ベルは、ディズニーでもキャラデザインをされている Jin Kim さんが担当されたそうです。
特徴的な目と唇、ディズニーっぽいなと思っていたら、やっぱりそうだった。
また、細田守監督は、1991年の「美女と野獣」が大好きだそうです。そのオマージュがしっかりと入っていて作品に対する敬意も表されていました。

次の細田守監督の作品も楽しみです。


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