見出し画像

地テシ:339 「天號星」大阪公演始まるよ! それと小林一三展!

さあ、東京公演に続いて劇団☆新感線「天號星」の大阪公演が始まりますよ! 11/1(水)〜20(月)にCOOL JAPAN PARK OSAKA WWホールですよ! ええと、前回も書きましたが、行き方がよく判らないという方はこちらをご覧下さいませ。

要するに大阪城公園の東端です。森ノ宮駅の北です。劇場の近くには飲食店もコンビニも無い(館内カフェはあります)から食事と買い物は済ませてからお越し下さいね!


さて、そんなワケで私はもう既に大阪に居るのですが、東京公演が終わってから大阪に行くまでに見ておきたい展覧会がありました。それは「小林一三 生誕一五〇年展」です。

はて? 小林一三って誰? とお思いでしょう。お思いでしょうとも。しかし、現代まで続く鉄道、流通、都市開発、そして演劇や映画など、様々な大衆文化の基礎を築いた一大文化人なのです。


私は大阪府豊中市という阪急電鉄沿線で生まれ育ちました。当時の私にとって電車と言えば阪急電車でしたし、当時無敵の強さを誇った阪急ブレーブスのファンでした。今でも阪急のマルーン色の車体を見るとワクワクしますし、ゴールデンオリーブ色のとても座り心地の良いシートも大好きです。
子供の頃の最高の遊びと言えば、阪急宝塚駅にある宝塚ファミリーランドという遊園地に行くことでした。遊園地、大浴場、動植物園、そして宝塚大劇場。母は宝塚歌劇を見るのが好きでしたので何度か連れて行ってもらいましたが、私には今ひとつピンときませんでした。ただ、とにかく晴れやかで煌びやかだったことだけは覚えています。

そんな阪急電鉄を作ったのが小林一三なのです。それだけではありません。ターミナルに駅ビルを建てて百貨店や食堂などを入れたのも、沿線の土地を大規模に開発して販売したのも、終点に遊興地を作って人々を呼び寄せたのも、全て小林一三の発案なのです。今では鉄道経営に於いて常識とも言える方策を独自に次々と打ち立て、鉄道を単なる移動手段では無く、生活に密着したツールとして発展させていった偉大な経営者なのです。
後に東急電鉄となる会社が関東で鉄道・沿線開発をする時にも小林一三に教えを請うたそうですが阪急で忙しく、それでもたっての願いを断り切れずに週末のみ東京に行って無償で指導したという話は有名です。東急グループによる田園調布などの開発は、小林流の手法を受け継いだモノだったのですね。
小林一三は宝塚歌劇団を創設し、その活動を東京で行うために東京宝塚も作り、それがやがて映画制作会社としての「東宝」になりました。鉄道、不動産、百貨店、球団、演劇、映画。まさに大衆に密着した文化を広めたのが小林一三なのです。


そんな小林一三さんが生まれて今年で150年。その生涯や活動をまとめた展覧会が開かれるってんですから気にならないワケがありません。会場は日比谷シャンテの三階。そう、「薔薇とサムライ2」の衣裳展が開かれたフロアです。しかし、行ってみて驚きました。あの衣裳展とは比べものにならないほどの広さで展開していたんですよ。

圧巻のパネル数ですが、時々次のパネルへの繋がりが判らなくて彷徨いました

ちょうど三階のテナントさんが移転したらしく、その空き地を利用したかなりの広さの展示場でした。小林翁の業績を100枚ものパネルにまとめ、さらに壁面には東宝の歴史まで展示されていまして、もう情報過多過多ですよ。小林翁のパネルを読み込むだけで小一時間かかってしまったので、東宝の歴史に関してはざっと流し読むだけしてしまいましたが、実に読み応えのある展示でした。ていうか、ほぼパネルの文字と写真しか展示されていなかったので読むしかなかったのはちょっと残念。

宝塚歌劇をイメージしたフォトスポット
東宝が誇るキャラクター・ゴジラと、小林一三が関係した建築物たちと。下の平台も東宝製

もともと阪急が好きだったことから小林翁に興味を持ち、伝記などもいくつか読んでおりましたが、改めて端的にパネルで展示されるとまた新たな発見もあってとても面白い展示でした。
ただ、こちらの展覧会は11/5(日)まで。私も新宿で本番をやっておりましたのでね、終盤になってからしか見に行けず、そして最終盤になった今からしかオススメできないというこの体たらく。ですが、小林翁のコトは知らなくても、阪急電車や宝塚歌劇や東宝に興味がある方にはオススメですので、是非とも日比谷(もちろん東京宝塚の聖地です)に足を運んでみて下さいませ。入場無料ですよ!

同じフロアには東宝やゴジラのショップ(期間限定)や宝塚歌劇のショップもありますから、そちらの方面がお好きな方にもオススメですぜ。


★今週の「天小ネタ星」★

●「天號星」東京公演の会場は東急歌舞伎町タワーにありますが、新感線が歌舞伎町で公演をしたのは2008年の「五右衛門ロック」以来。会場となったのは今は無き新宿コマ劇場。そのコマ劇場を建てたのも小林一三。戦前にアメリカで見た「フルオーケストラが演奏しながら巨大な迫り上がり装置に乗って登場してきた」演出に驚き、それを目指して建てられた劇場でした。三重の回り舞台が独立して迫り上がり、まるでコマのように回るからコマ劇場というのですよ。

●ええと、「天號星」とは関係ない雑学を一つ。今回書いた阪急電鉄創始者は小林一三(いちぞう)さんですが、ナイロン100℃主宰のケラリーノ・サンドロヴィッチさんの本名は小林一三(かずみ)さん。同姓同名ですが、読み方が違います。
なお、KERAさん作演出のケムリ研究室「眠くなっちゃった」は明日まで阪急西宮北口駅の兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホールにて公演中。ここにも阪急が出てきましたね。

●あと、東海道新幹線の車内販売がこの10月末で終了というコトで、これまであまり利用していなかった車内販売で買ってみましたよ。

シンカンセンスゴイカタイアイスに初挑戦。堅かった。


今週の「天小ネタ星」はあんまり「天號星」に関係なかったね。じゃ、また来週。