今、此処で『今、何処』を聴いた。
はじめに言っておく。僕は「佐野元春ならオールOK!」なファンではない。
ファンとしてのメインストリームからは外れている。
またこの時期がやって来た。発売日前日手にした人たち、いわゆるフラゲした人たちのトゥイートで溢れかえるSNS界隈。
うるさい。正直、目障りだ。
これらを目にしてしまうと先入観なしには聴けなくなる。少なくとも、僕はそう。
個人の感想を呟いているだけだから、それ自体を否定する気はない。要は見なきゃいいだけの話で。
7/6、佐野元春 & The Coyote Band、待望のニューアルバム『今、何処』がリリースされた。前作『ENTERTAINT !』から僅か3ヶ月という短いスパンで。
と、いうのは正確ではないけれど。新作のためのスタジオデイズというよりは、無論それもあるだろうが、今なお続く彼(か)のヴァイラス禍。なかなかライヴができなかった昨今の現状でのセッション。優にアルバム2枚分の曲があると語られていたから、前作とは同時進行ということになる。
個人的には実質ダブルアルバムだとずっと思っていて、実際、今作DX盤には配信限定リリースだった前作『ENTERTAINT!』のパッケージ盤がバンドルされている。
発売日から2日、遂に“ヤバいアルバム”と方々で言われる本作が届く。通常僕はアルバムタイトル曲からランダムに聴くのだが、なぜか本作は“文脈”が大事だと感じて、いつ以来だか覚えていないほど久しぶりに頭から聴いた。
冒頭シングルカットされている曲が続く。3曲目(正確には4曲目)「クロエ」はアルバムと同時リリース。昨年秋にリリースされた「銀の月」とこの曲は先に聴いている。(だったらアルバムも届くまでにストリーミングで聴けばいいじゃない?)
「エデンの海」がライヴで披露される頃はまだ声を出したらいけない事態なのかもしれないけど、
今すぐ!
Yeah, Yeah!
は一緒にシャウトしたい。それともみんなは“White Light!”のほう?
それにしても、こんなに吠えてる佐野元春は近年珍しい。そういう面で、確かにヤバい。そして僕はこの曲で震えた。
繰り返す。確かにヤバいアルバムだわ。
個人的に僕がハッとした、驚いたポイントは別にあって。リリース日とその前日に書いた僕の拙い詩と同じようなリリックの曲があって、初聴時鳥肌もんだった。それは「冬の雑踏」、「水のように」の2曲。個人的な感想だから全然違うよ、と思われるのは承知の上。少しでも興味がある、そんな貴徳な方がいらしたらこのnote上にあるので探してみてもらえたら光栄です。
話を戻す。サウンドがどうの、リリックがどうのは僕の役割ではないので、今回も割愛。
作品はライヴではじめて完成する、誰かがそういっていたのを思い出す。早くライヴで聴いてみたい。近年のライヴの充実ぶりからみても、本作ナンバーを加えたものはとんでもないものになる予感。傑作。
今回は両手(もろて)を挙げてオールOKでかまわない。繰り返す。大傑作だ。
佐野元春はいつだって、どこまでも先を征く。僕らはいつまで経っても追いつけない。やっと姿を掴みかけた時、アクセルをさらに踏み込まれたかのよう。
せめてその姿を見失わないように。
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