すばらしサンドイッチ(ft.『Hum!』)【Sandwiches #46】
昨日はおサボり失礼しました。首の激痛に右腕の麻痺まで加わって、一時はどうなることかと思ったけれど……湿布と漢方薬のおかげですっかり症状もやわらいだ今朝、ほっとしております。思い当たる原因はやっぱりあれね、ごろ寝のNETFLIX生活よ。みなさんも十分注意されてくださいね。
ちょっぴし計画がずれてしまいましたが、気を取り直して隔日の「楽曲紹介」シリーズにゆきたいと思います。2ndアルバム『KINŌ』から、M2「Hum!」をめしあがれ。
(あっ、ここであれこれお話する前にひとつ! 2ndアルバム以降は多くの楽曲を素晴らしいミュージックビデオと併せてご紹介することになります。歌詞以外の話題もどんどこ入ってくることが予想されますので、多少のmessはご堪忍)
MVの撮影・編集を担当してくれたのは、現在「makran」というレーベルを主宰しているプロデューサーのRyuuta Takakiくん。主演は「浮(ぶい)」名義でシンガーとして活躍中の米山ミサちゃんです。ふたりとも古い友人で、当時わたしが渋谷のTHE ROOMでオーガナイズしていたパーティ「BINKS」のレギュラーメンバでもありました。さまざまな縁が重なって制作・完成までこぎつけた、実はこれがmaco maretsとして初のビデオ作品になります。
しっかし、いつみてもなんて美味しそうなサンドイッチ、その御姿よ! 川上未映子女史がよくつかう言い回しを乱暴に拝借すれば、ありゃサンドイッチのイデア(そんなものがあるかはさておいて)とでも言うべき、まさしくスペシャルな存在感を持っておった。
くわえて素晴らしいのは、このサンドイッチが料理人としての顔も持つ主演の米山ミサちゃん自身が提案・調理してくれたもので、実際のお味も格別だったことで……、なんて、撮影時お腹を膨らませていたのはここだけの話ですが、とにもかくにも、今なお多く再生される人気のビデオになったのは間違いなくこのサンドイッチのおかげでしょう。
ご覧の通りこのnote連載のタイトルかて「Sandwiches」を謳っておるわけで、不肖maco marets、約4年が経過した今でもその鮮烈なイメージにひっぱられていることはいっさい否定できぬ。アルバム『KINŌ』の目玉焼きジャケットとあわせて、その後の「maco maretsっぽさ」をある種方向づけたといってもよい印象的なビジュアルでした。
(そもそもなんでサンドイッチのイメージが生まれたのか、とか、どこでどんな風に撮影したのか、とか、MV制作時の詳細なエピソードはあらためてどこかのタイミングでお話ししたいと思います)
「Hum!」は『KINŌ』に収録されているなかではもっともふるい楽曲で、実は1stアルバム『Orang.Pendek』でデビューしたのと同じ2016年の冬・12月に配信シングルとして発表しています。
『KINŌ』のリリースは2018年の11月なので約2年の間を空けてのアルバム収録となったわけですが、この際「2ndアルバム用」として制作した楽曲(既に配信されていた「Hum!」と「Summerluck」以外、ほぼすべて2018年に書き下ろしたものでした)とは明らかにテンションが異なっていたため、そもそも収録するべきか否か? という迷いが生じることになった。
ここで明かせば、『Orang.Pendek』のリリースから『Hum!』、そして『Summerluck』を経て『KINŌ』にいたるまでの2年半という月日は、大学卒業や、ながく行動をともにしていたパートナーとの別離や、ま、ここでだらだら語るほどの中身もないけれど、心境の変化という意味では多分にザワつくイベントがどんどこ発生、右往左往してばかりの時期でした。
モラトリアムにおけるひとつの(形式上の)終焉を迎えたわたしは、なんだか「どぅーうぃっどぅるる、どぅうぃっどぅ〜」なんて歌っているだけでは消化できぬ種のあらたなもやもやを感得。いつしか「Hum!」の歌詞や歌い回し、声のトーン、あらゆる要素のひとつひとつがあまりにもあっけらかんとしてむなしいものに聴こえてしまう……そんな、ちょっぴり荒んだ悟り状態へと突入していたのです。
それでもさいごにはアルバムに収録すると決めたのだけど、その理由は「曲に仮託した、陽だまりのような能天気さを抹消するのはヘルシーでない」と思い直したことにくわえて、やっぱりあのMVのすてきなサンドイッチの存在も大きかったのだろうと思います。
繰り返せば、結果的にはこの「Hum!」のイメージが『KINŌ』の目玉焼きジャケットへと拡大し、そのままいま現在にいたるまで「maco marets」というRapperの印象を担うことになったわけ! だから、お気楽なムードも悪くなかったのね。いまではすっかりお気に入りの一曲になりました。
*****
昨日休んでしまいましたが、お便り返信コーナーも再開でござい(今日掲載できなかったものも、明日以降順番にご紹介させていただきますね)。
●ペンネーム:すえっこさん
東京在住の23歳OLです。
リモートワークと言う名の休みが始まって1ヶ月くらいになりますが、日々寝て食べて起きてを繰り返しています。最低限度の生活は満たしているにもかかわらず、どうしてこんなにも虚しいのでしょうか。家にいる時間が増えただけで、別にやりたかったわけでもない仕事のことを考えてしまったり、告白も出来ずおわってしまった男性のことを考えてしまったり、負の連鎖です。
その辺のスーパーに行くことすらめんどうになり二度寝を繰り返す毎日です。
人と会いたい、話したいと誰もが言います。
わたしもなんとなく、そう思っているのですが、この生活がルーティンになりつつ今、どこかそれすらもめんどうになっているようです。次に人に会ったときにうまく笑えるかどうか、本当に心配です。苦笑いばかりが上手い友達がいますが、その子のようにはなりたくないな、となんとなく思いました。
以上、わたしのぼやきです。
>>この期間におけるむなしさやけだるさ、ぐるぐるめぐる迷想の正体はわたしもなかなか言語化できずにいます。ただ、おのれ自身の深いふかい内側をのぞくような時間にあってはあらゆるdepressionもやむなし。それらはきっとおのれの素直なこころの発露だから、恐ろしくってもあるままに、ぎゅうと抱きしめられたらいいですね。
一度隔離された状況に身を置いたがために他人とのコミュニケーションが億劫なものに思えてきた、その感覚も非常に共感します(ほんと、「ひとと話す」ってどんな感じだったっけねえ)。
誰もがぎこちなくこわばったほっぺでもってゆきあうこれからの季節、その凝固したさみしさを腐さずそっとほどくような、じんわりあたたかい熱を持ったことばが大切になるはずで……それらを備えるにはやっぱり相応のエネルギーが必要だけれど、そのときこそ、おのれ自身をハグすることで得たやさしさを燃やしてみたいもんです。夏だし、ほんとうはクールな感じでキメたいけれどもね。
(引き続き、下記フォームよりお便りを募集しております↓)
*****
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?