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お茶マーケティングやってみた③

三原さんのツイートからガチで緑茶商品のマーケティングを調べ始めた私。

前回の記事はこれ↓

今回は、製品分析の後半戦!

ー記事の流れー
記事2①製品の分析 前半戦:お〜いお茶、生茶編
記事3①製品の分析 後半戦:綾鷹、伊右衛門編←イマココ!!
記事4②プロモーションの分析
・CMにおけるメッセージ性や、
・起用モデルの変化、選定理由をまとめてみた
記事5③ターゲットの分析
   ④各メーカーの成果と、2020年現在の注力状況は??

**ⅲ容器で魅せる日本の茶、綾鷹

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 2007年と、ちょっと遅めにデビューした綾鷹は、「にごり」をテーマにスタート。しかし、翌年リーマンショックで景気が悪化。綾鷹は値段が他の緑茶メーカー品に比べて10円高い、157円であったため、売れ行きが悪化してしまった。。
 そこで価格も147円に下げ、2リットルの商品を扱うなどして、段階的にお客さんが買いやすいようにした。また、「急須でいれたような味わい」にコンセプトを転換より味をイメージしやすくした。その結果、2009年以降、39カ月連続で販売数量が2ケタ成長。また緑茶市場でのシェアも、32カ月連続で伸ばしている。大成長を遂げたのだ!!

**ー販売のきっかけ

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 2007年当時、日本はプレミアム系のモノがブームにあった。例えば、プレミアム系のビール、アイスクリーム、チョコレートなどなど。。付加価値のあるモノには、多少高いお金を払ってでも買うといった動きがあった。その一方で、飲み物の値段がどんどん安い傾向に。お客さんのニーズが二極化していたのだ。
 このとき、「味わいを重視した本格的な緑茶を提供して、飲料業界でプレミアム市場をつくっていこう」といった意気込みで始まったのが綾鷹であった。だから価格も初めは高めだったのだ。。

ー製法のこだわり

 創業450 年の歴史を持つ、宇治の老舗茶舗、上林春松本店さんとコラボして、商品開発を進めている。長い歴史がある上林春松本店さんの「合組(ごうぐみ:茶葉の特徴を考慮して、おいしい茶葉の組み合わせを生み出すこと)」という技術で、急須でいれたような味わいを実現している。

**ーパッケージデザインのこだわり

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 同会社の『コカ・コーラ』のボトルは、“暗闇で触っても『コカ・コーラ』だと分かる”というくらい、形がブランドの象徴になっている。綾鷹も、それに匹敵するような独自性のデザインを目指している。つまり、ボトル自体のデザインにこだわっているのが綾鷹のポイント!
 通常、急須でいれたお茶は、”湯呑み”に入れて飲まれる。綾鷹は、この”湯呑み”をオマージュした形に仕上がっている。ポイントは、持ったときに手にぴたっとはまること。伝統的な湯呑みは手づくりなので、凹凸があって左右非対称で、だからこそ持ちやすいのだという。ボトルの凹凸のゆがみに応じて文字の位置も微調整されている。
 さらに、触ったときの素材感も大切にしようと、ピカピカのプラスチックのラベルではなく、マットコートをかけ、『和』の雰囲気を出している。また、にごりが舞う様子を表現するために、下にいくほど色が濃くなるようにグラデーションを付け加えた。

ⅳ色で攻める、伊右衛門

 2004年にデビューした伊右衛門は、発売開始からわずか3日で、一部商品が販売休止の不測事態になり、発売 10 ヶ月で 3420 万ケースを達成するなど素晴らしいスタートダッシュを決めた。

**ー販売のきっかけ

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 サントリー社は、もともとウイスキーの会社。そのイメージのままにお茶の業界に入るのは、とても勇気がいること。そこで老舗茶メーカー、福寿園と提携をして、”サントリー”ではなく、”京都福寿円のお茶”として売り出した。ブランドの名前も、福寿園の創業者の「伊右衛門」を使った。この戦略はとても綾鷹に似ている。(おそらく綾鷹が伊右衛門を参考にスタートさせたと考えられている)

ー製法のこだわり

 香り成分や旨味が豊富と言われる一番茶を、最適な配分で使い、淹れたてのような「豊かな香りや旨み」と「雑味のない穏やかな渋み」を両立。また、サントリー独自の技術で、緑茶本来の鮮やかな緑の水色(すいしょく)を実現。このリブランディングで最大の変化が、この緑色!そう、伊右衛門のポイントは色!なのです。

ーパッケージデザインのこだわり

 鮮やかな緑の水色(すいしょく)を体感できるよう、ボトルを覆う面積が少ないラベルに。またラベル裏やボトル中央部に招き猫や七福神など縁起の良い絵柄を配置。こんな楽しめる仕掛けを作ってまで、ラベルをめくらせにかかっているのだ。。

 またまた、なんと今ならコンビニ限定で、”ラベルがないボトル”も販売!なんということだろう。生茶のマーケターが聞いたら発狂しそうだ。あんなにこだわれるラベルを外してしまうなんて。。しかし、そこが伊右衛門の売りポイント。ラベルで見えなかった”色”を見て欲しい。そんな思いが強く伺える。

記事②、③のまとめ

 まとめると、お〜いお茶は鮮度、生茶はパッケージデザイン、綾鷹は容器、伊右衛門は色に注力して開発を頑張っているっていえるね!!どのメーカーさんも素晴らしい。さて、次回はCMから見えてくるそれぞれの特徴をまとめるよ!次回も見てね。

次回の記事はこちら↓

記事②、③の参考記事等は以下の通り
https://brandtimes.jp/story/itoen/QfAgA
https://diamond.jp/articles/-/139519?page=3
https://diamond.jp/articles/-/105945
https://p-prom.com/company/?p=29115
https://www.itmedia.co.jp/makoto/articles/1210/31/news010_2.html
https://shokuhin.net/21608/2019/07/01/inryou/inryou-inryou/
https://www.excite.co.jp/news/article/Cobs_2027199/?p=3
https://www.cocacola.co.jp/stories/ayataka-renewal-01
https://www.soumunomori.com/column/article/atc-49588/
http://koichinakagawa.web.fc2.com/studentessay/some1.pdf
https://allabout.co.jp/gm/gc/292716/
論文:キリン『生茶』の競合に対するブランド戦略を考える~ブランド価値構造の視点から~井徳正吾 渋谷詩織(https://ci.nii.ac.jp/naid/120006460756)
https://president.jp/articles/-/3001
https://diamond.jp/articles/-/139519?page=2

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