やっぱり美容師って陽キャじゃん!

 ギャルやオサレに囲まれた上に担任が元ヤン(※勝手なイメージ)という、いきなりハードモードで開始した25歳、久しぶりの学園生活。一年休学した人は、出席番号が最後になるらしい。
通信教育は総勢11名。うち3名男子。
……隣の席はギャル男かよぉぉ!詰んだ。
しかも19歳らしいじゃんもう無理。色々無理。
辞めてもいいかな?

 美容学校の通信科は、様々な年代の(濃い)人が集まる。それこそ子育てひと段落した世代から、早々とサロンで働いてる若い子まで。
 初の休憩時間「久しぶりー」の声が飛び交う教室。そうだよね、一応入学式もあったから皆会ってるんだよね。クラスメイトの顔知らないのは、飛び入り参加の如く入った私だけ。多分誰?ってなってると思うんだけど、全員が。
 会話のキッカケもつかめずボーっとする陰キャ。この時点で実はすでに相当疲弊している。
パリピ空間、生きてるだけで大変。
辞めてもいいかな?

「はじめましてー。何で休んでたの?」
……ん?私に話しかけてる!?あなたは神か??
のちに「お母さん」と呼ばれる、クラスに一人は絶対居るお世話焼きキャラの最年長のクラスメイトだった。
私が浮いてて気の毒にでも感じたんだろう。さすがお母さん。
こんなに人数少なくても、人が集うと漫画でよくあるパターンのキャラが居るんだなぁ。いや、ちゃんと返事しよう?私。
「子供産まれたんでー、産休でー」
「そうなんだぁ。私も息子居るのー、中学生の」
……凄すぎんか。他にも有名な大学出てから美容学校に来た人、隣のギャル男は葬儀場の息子、すでにカットモデルを切ってるちょいワル(美容師法とは)、愛車がフェアレディZの走り屋男子、夜職の盛りヘアセットをバイトにしてるイケイケおねーさん。まあまあ生徒も濃い。いや、多分、話せば元馬乗りの私も十分濃いに入る。背中にTATTOO入ってるし。陰キャなのに。
 ただ多分一生身の上は話さず終わるんだろうな。

 通学初日。結論。辞めてもいいかな?

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