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加賀野のおじさんを訪ねて真冬の盛岡を訪れたのは、今から2年前のことだった。 列車から降り立つと、街はすっかり白雪に埋もれていた。 さくさくと歩く盛岡の人たちの中で、私だけが大苦戦していた。 雪でも歩けるブーツを履いていたのに、ちっとも前に進まない。 雪道で転んでしまうのは、雪のせいじゃなくて歩き方のせいよ、と祖母はよく言う。 「怖がってつま先から地面につけたり、かかとから踏み込むのもだめ。足の裏全体を、下に押す感じで歩くの」 そう言っていたことを思い出して、