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巡る季節は、いつも美味しい味をもたらした。 夏には、とうもろこし。 雨が過ぎれば豊かな実りが待っていたから、梅雨は嫌いじゃなかった。 そう、私の祖母は語る。 私の雨好きは今に始まったことではなくて、思い返せば中学生の頃から雨雲に見惚れていた。 繰り返し聴く音楽は、気がつくと雨が歌われているものばかりだったし、傘立てには何本ものお気に入りの傘が身を寄せ合っていた。 そんな私でも、くる日もくる日も続く雨にはため息が漏れる。 じっとり水を含んだスカートの裾や、びし