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太陽の手

私は手が暖かい。末端冷え性ならぬ、末端温いで症なのだ。

冬場は重宝されるが、夏場は友達に抱きつこうとすると暑いと煙たがられた。
冷え性だと公言する友達はいつも手先が冷えて、靴下を二重履きしている、と言っていた。私にとっては冷え性で悩むその姿はか弱い女性らしさを表しているように感じ、憧れた。私はと言うと彼氏と手を繋いでも、手が冷たいね、可愛いね。なんてラブい状態にはならず、なんとも言えない沈黙が流れ手の湿気はどんどん増えた。

そういうこともあってか、末端冷え性はか弱い女子のアイデンティティのように感じ、反対に自分でも持て余すくらい熱がこもった手は強固な女子のアイデンティティのように感じてしまう。

私の外見は癒し系とは程遠くどちらかと言うと冷たい印象を捉えられる。また背も高いということもあって、外見からはキツい印象を与えてしまう。中身は自己肯定力も低く、プライドも自信も低い人間なのにね。だからこそ、か弱い印象を与える冷たい手に憧れる。

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