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天彦産業はなぜいい会社になれたのか 〜統合組織開発の観点から①〜

クライアント企業様の視察旅行で大阪の天彦産業様をアテンドさせていただきました。

天彦産業様と言えば、安倍元総理が総理時代に視察に来られた中小企業としても、日本でいちばん大切にしたい会社大賞を受賞した企業としても有名ですね。

他にも、
●くるみんマーク取得(厚労省)

●IT経営実践認定企業(経産省)

●きらめき企業賞(大阪市)

●ダイバシティ経営(経産省)

●大阪市女性活躍リーディングカンパニー
●関西財界セミナー賞(2018輝く女性賞)

●はばたく中小企業300社に選出
などの表彰等をされています。

関西の中小企業を代表する「いい会社」となった天彦産業ですが、
もともとは滋賀で鋸刃を扱う商売をしていました。

時代の変化に伴い、木こりさん向けの鋸刃から、産業機械用の刃の取扱いから特殊鋼・ステンレスの取扱いに事業を広げて現在に至ります。

社員数は40名規模で、上海とタイにも関連会社を持っているのも特徴です。事業が順調に伸びてきた要因は、一言で言えば、顧客要望に応える力だと捉えています。

その要素として、海外拠点がある強み、幅広い仕入れルートや加工外注先、顧客との信頼関係が挙げられます。

また、業界では珍しくEC販売にも力を入れており、近年はこちらの業績が伸びています。

これらの強みを作ってきたのは、経営者であり社員です。

では、ここで私が考えた組織分析PMDB図を使って、天彦産業さんを見ていきましょう。まずは、PMDB図について説明します

PMDBのPは、事業パフォーマンスを表し、Mは組織メンテナンスを表します。
事業の成果を出すには、組織づくりが必要ですから、PのためにMが必要です。

PMDBのDはやり方(手法・技術等)を表し、Bはあり方(価値観・関係性等)を表します。

Be領域は、理念・社是、ミッション・ビジョン・バリュー、経営哲学と言ったコアとなる考えがあり、事業・ビジネス領域にも、組織・ハピネス領域にも価値観があります。
Do領域は、その価値観や考えのもとで実行されます。

組織ではなく、個人で考えたらわかりやすいでしょう。
どのような仕事の仕方をするのか、人生を歩むのかは、その人の人生理念、人生哲学、根本価値観からきていると思います。

ところが、組織に当てはめると、実は多くの会社がこのBeの考えや価値観とDoの手法施策がズレていることがあります。

私が数多くの組織を見てきて考える要因は4つです。

① そもそも理念や価値観やビジョンが明確になっていない。
② 理念や価値観がビジョンはあり意識はしているが、ついつい目先の事情に合わせた施策や手法を取ってしまっている。
③ 理念や価値観がビジョンが、本気で考えられたものではないため、ないがしろにされて施策や手法が一致しない。
④ 理念や価値観がビジョンが統一・浸透されていないために、手法や施策と一貫性がない。

うまくいっている会社は、このPMDBに一貫性があります。
どのような価値観か手法かは会社によって異なりますが、一貫性があるということは、すべての経営スタイルの会社に当てはまります。

では、PMDBを理解した上で、次回コラムで天彦産業さんについても見ていきましょう。

続く

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