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Some conflicts in our syndicate

以前に「紛争解決」に携わっている日本人の方のお話しを聞く機会があって、「人間が2人集まれば紛争は起こりますから」とおっしゃっていたのが非常に印象的だったのだけど、おそらくどこの国のどの組織に所属していたとしても、複数名が集まればどうしてもいろいろと不一致なことが生じるもので、ただ、その不一致のタイプ、解決までに掛けるリソース(主に時間)、解決のためのアプローチの仕方等が、国民性や文化、歴史によっても異なるというのは新たな経験だった。

まず、会議にグループのメンバー全員が揃うのに非常に時間が掛かる。全員といっても、7-8名のグループで、相当時間を掛けて全員が参加できる日程で合意形成しても、事前になんら連絡もなく当日来ないメンバーがいたりする。会議日程がなかなか決まらないために、結局やるかやらないかわからない会議のためにスケジュールを空けておく必要があったりして、何度となくリスケを繰り返し、またこの会議も流れるのかな・・・と思いながらスケジュールを空けておくという悪循環。

会議当日は、ほぼ必ず時間通りに参加するメンバーとほぼ必ず遅刻してくるメンバーに二極化。折角会議日程が決まって、時間通り初めて時間通り終わりたいのに、時間通りに参加すると当然のように冒頭来ないメンバーを待たないといけないので、時間通りに参加しているメンバーのフラストレーションもいよいよ膨らみ、最終的に、チームチャーターを作成して、チームとしての基本ルールを文章化する必要があるということに。

そして、出来上がったチームチャーターの基本ルールがこちら。

1. 時間を守る
2. 公平にお互い敬意をもって接する
3. オープンな対話のために努力する
4. 誰かが話しているときは割り込まない
5. コンフリクトが生じたらできるだけ早く対処する
6. 分担した役割は各自が責任をもって時間厳守で完成する
7. 建設的なフィードバックをする
8. 成果は皆でお祝いする

本当に正直な最初の感想は、「そうか、本当に多様な人々が集う国は、こういう基本の基本から皆で相談して合意しないと、本題の議論に移れないのか・・・」と思った。多様なバックグラウンドのクラスメートから学ぶことはとても多く、一方で多様性がもたらす各自の前提の違いは、均一性の高い社会しか経験のない私にとっては想像以上に大きかった。アフリカ大陸でトップレベルのビジネススクールのひとつで、ビジネス経験もかなり豊富なメンバーで、しかも皆MBA卒業というゴールを共有しておりそもそも利害関係は完全に一致するはずにもかかわらず、時間厳守やコミュニケーションの原則から明文化するということは、実際ビジネスの場でどうやって皆仕事をしてるのか、合意形成するのか、かなり興味深い。

もうひとつの学びは、根底にある社会通念的な部分が違うことは世界ではむしろ当たり前で、そういうときは基本ルールを皆で相談して合意するところから始めるのだということ。このアプローチを実際に経験できたことはこれから世界でいろいろな方々に出会って仕事をするときにも心強い。大学院がわざわざグループワークを積極的に取り入れる理由は、こういった実践的な学びの場を提供することにあるのかもしれない。

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