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面白本「スパイに死を 県警外事課クルス機関」

在日ロシア大使館駐在武官にしてGRUの諜報員ビクトル・コサチョフ。愛国文化人としてふるまいながら実際は中国のエージェントであった守屋康史。その二人が、立て続けに殺害される。二人の手には“スパイに死を”と書かれた名刺大のカードが挟まれていた――。一方、二件のスパイ殺しから派生して、横浜中華街で中国人少年がロシア人貿易商を刺殺するという事件が発生。独断専行・単独で事案を解決してしまうため、一人部署“クルス機関”の異名をとる神奈川県警外事課の来栖惟臣は、露中の諜報関係者に接触し、事態の鎮静化を図ることになるが……。

Amazonの書籍紹介から

「このミス」優秀賞を受賞した作品のシリーズ第3作。
個人的には「夏至のウルフ」と並ぶ傑作。
銃の説明が少し冗長かなと思ったくらいで、あとは完璧に引き込まれました。
今作を読み始めて気がついたのは、会話が随分味わい深くなったこと。
ユーモアというか、皮肉というか、そういうのが混じった、なおかつ描かれている登場人物の役回りからして、決して上滑りしていない、皮膚感覚のある「セリフ」。
寺沢武一の「コブラ」的な心地よさw

終盤に差し掛かる頃、一発の銃弾で丹念に並べられたドミノ倒しが始まるわけですが、そこから先の爽快さ。
仕掛けるところを作中で見たやつ、そんな仕掛けになってたのかってやつ、あとドミノが倒れて初めて現れるようにデザインされてたやつまで!
そんな仕掛けがどんどん繰り広げられます。

改めて言います。
傑作です。

https://note.com/mackee1968/n/n71445ad65fc7


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