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Rain ーアイに触れるということ。 #第6夜

初めましてのみなさまも、おなじみのあなたもこんにちは、MAKIです。

振り返れば修羅場の多き年だったその年。
それは、
日本人の多くが胸に刻まれている年と心得ていて
きっと、色恋だセックスレスだ以上の
比べることの出来ない喪失感のある方も
いらっしゃることと拝察します。


あの年を思い出したくない方は
この先は読み進めず
ページを閉じていただけますと幸いです。




さて、

あの日、
築35年のマンションの14階に住んでいた
わたしたちの部屋も
強盗に荒らされたかそれ以上に
めちゃくちゃになっていて


本好きなふたりの数百冊ある書棚も
ものの見事に薙ぎ倒され
そのなかから発掘された彼の隠し財産である
「銀座人妻マッサージ治療院」1及び2のDVDが
図らずとも性嗜好に気づかせてくれたり
見知らぬオンナから受け取っていたであろう
ラブレターたちが顔を出したり


世間はそれどころではないというのに
わたしときたら、
彼にずっと苛立っていました。


余計に、
となりの芝生は青く見えたのかもしれません。


わたしのなかの誘惑が目を覚ましたころ、
なんの因果か、同じ乙女座だった彼のなかにも
きっと同じようなタイミングで
それが現れてきていて、

人生で初めて、
大きな声で男のひとと喧嘩をし
どろどろとした感情の渦のなか

大好きなひとを「愛してくれない」と責めながら
カラダごと満たしてくれる場所を求めて彷徨う
どこまでいっても他者依存な
もうひとりのわたしが
産声をあげてしまったのだと思うのです。


というわけで、
自戒を込めて、
かつてのわたしを呼び起こします。
#恒例となりつつある過去mixi日記晒しw



Rain、かなり長い久し振りのへヴィーな日記。
2011年06月02日22:55


【まえがき】

ツイッターやらフェイスブックやらが主流になり、
かえってミクシィが
誰にも見つからない場所になりつつある。
ブームのピーク時には考えられなかったけれど、
いま、ここにものを書くことが
とても親密なことに思える。
そして誰にも読まれないものにも思える。

相変わらず、
前述のツイッターアカウントでは、
浅い関わり合いの方が読むには
堪え難いつぶやきが増え、
私生活をリアルタイムでつぶやくつもりが
あたしという人間を
また不可解な存在へと変えてしまっている。
一時期のミクシィ現象。
それは決して演出というわけではなく、
やはり思ったことを
そのまま文字にしているだけなのだけれど。

そういうわけで、
原点回帰、今でもミクシィにログインしている
貴重なマイミクの皆様に読み苦しくない程度に
あたしの最近を綴らせていただきたく候。





【本編】

実は4月から、
もう何度か大きなケンカや言い合いを
彼としている。
原因は彼の浮気疑惑であったり、
あたしの朝帰りであったり、
無断外泊であったり、
あたしへの中傷
(太り過ぎている、という類のもの)であったり
いろいろあるのだけれど。
以前なら、それでも歯を食いしばって、
捨てられてたまるかと食らいついて、
かっこ悪いくらいに泣いたりわめいたり
していたのになぁ。
ここ1、2ヶ月は開き直ってしまって、
捨てたいなら捨てればいいでしょ
(どうせ捨てられないくせに)くらいに
余裕にも似た態度をとってしまう。
彼もそんなあたしに気付いてか否か、
心なしか以前よりも優しくなったり、
すぐには怒鳴らなくなったり、
デザートの最後のひとくちを
毎晩あたしに譲ってくれたりする。

ついこのあいだまで、
というか根底には今だってそう、
もしもの話、
彼が今夜ゼクシィ片手に帰宅するやいなや、
「結婚しよう」だなんて言ってくれたら
二つ返事で
「うん、いいよ」が言える
あたしだったはずなのに、
少しずつ、
歯車というのが狂い始めている、
ような気がする。
狂わせたのはあたし。


良くも悪くも、
彼は少しも変わらずあたしを受け入れ、
核心に迫ることなく、結論を急ぐことなく、
まるで終わりも始まりもない関係のように
このままこういうのが続けばと
思っているのかもしれない。
あたしだってまだ25だし
(もうすぐ26だけど)
急ぐ必要もないし、
まだまだ高みを目指したい気持ちは
あるのだけれど。

22歳から続く付き合いも
今秋には満4年を迎えようとしていて、
ひとつ屋根の下で満1年共にして、
いまでも変わらず、
彼を大好きな気持ちと
このままでいいわけがない、
というジレンマとで
ときどき押しつぶされそうになる。

そろそろまた離れて暮らして、
ときどき一緒にいる、
くらいに戻ったほうがいいのかな。
始まったころと変わらず、
ドキドキしたりときめいたり
ほだされたりしているけれど、
そこには確実に“期待”が加わってしまった。
期待するではなく希望を持つことが
あたしのテーマなのに。
期待からはマイナスしか生まれないと
分かっているのに。

とりわけ結婚願望が強いわけではないけれど、

このまま一緒にいて
結婚に至らなかったときの喪失感を思うだけで
今から胸が苦しくなる。
好きなだけで一生このまま一緒にいられるほど
日本は理解のある国ではないし、
あたしも穏やかな人間じゃない。

それならいっそ、いまを手放して、
またオフィシャル的に
奔放に恋愛のできるあたしに戻りたい。
浮気だなんだと咎める義理のない
自由な世界に戻りたい。

そう思うのは
あたしの我慢が限界に達しているからなのか、
恋愛対象の殿方が現われているからなのか。
最近になって、
過去に恋をした方々と接触する機会があって、
(そこではヤマシイことは
何一つ起きていないのだけれど)
あぁ、なんだか危険信号だな、
女の直感が鋭さを増している。


あるひとに言われた、
MAKIちゃんの世界は恋愛ありきなんだね、と。
恋愛の比重が人より大きいね、と。
そう、あたしは恋愛至上主義。
いつだってキラキラと生きていたい。
恋愛も仕事も人生を輝かせてくれるものだから。

マリア様になるには努力だけでは足りず、
やはり赦すことが大前提で、
キリスト教徒でないあたしは
罪を懺悔する場所もなく、
今宵も自分だけの世界を徘徊している。





【あとがき】

雨というのは不思議なもので、
環境によっては
心底幸福な気持ちにさせてくれる。
ダークな、
アンニュイな感情よりも
クリアな、
ハートフルな感情がこみあげてくるときもある。
好きな歌に雨の歌が多いのも
一種の幸福を求めているからなのかもしれない。

今年の雨歌は、
はじまりはいつも雨/ASKA
静かなベッドによく似合う。




いまのわたしなら
あのころのわたしに
なんと声をかけるのでしょう。
そこに、すべての答えがあることを
このときはまだ知る由もないのです。


つづく


#アイに触れるということ
#第6夜

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