考察/新宿JAMのクレーム対応初動ミス

新宿に、といっても一般の方が思う新宿とはちょっと離れた場所に新宿JAMというライヴハウスがあります。
ライヴハウスに通い始めて10年も経ってない私なので、そこまでは詳しくないのですけど。老舗になるのではないかなと思います。

そこに出演された方が、新宿JAMに出演した際のことをブログに書き綴っていて。その内容について、賛否両論出て、一部では議論が盛り上がっています。

詳しいことは読んでいただければいいかなと思うんですが。

要約すると。
ライブ中酔っ払った客が騒がしく、自分としては最善を尽くして演奏もしたしフォローもしながらステージを成立させようとしたけれど。ライヴハウス側は何のフォローもせず、ステージを成立させる努力を怠っていたのが許せない。
どうしようもなくなり、演奏を途中でやめて、ステージを降りて帰った。
見に来てくれたお客さんにも意見を聞いたが、自分の行動に賛同してくれた。
そして、その後、店長とも直接話したが埒が明かない。だから、もう二度と出ない。

といった内容なのかなと。

これに対して、どんなリアクションがネットにあるかと言えば
 ・いかなる理由があるにせよ、ステージを降りたのは間違い
 ・ライヴハウスに助けを求めることがお門違い
 ・オレだったら己の力不足を責める
 ・一緒に企画を作りたくないライヴハウスだと思った
 ・確かに腹立たしい
という意見がありました。

現時点では、バンドマンの意見が多く見られた印象があり、バランスとしては、ブログの方への「どちらかと言えば反対」という意見が若干多い印象でした。

また、ライヴハウス側では、四谷OUTBREAK!の店長も意見を表明していた。

そこで、私もブログに登場した人たち、それぞれの立場に立って考えてみました。
具体的には
 『ライヴハウスの店長』
 『ライヴハウスのスタッフ』
 『ブログを書いた人』
 『酔っ払って騒いでいた人たち』
 『ブログの方に誘われて参加したお客さん』
 『たまたま居合わせたお客さん』
の気持ちに立って考えてみました。
(あくまで、自分がその立場だったら、でしかなく。本当の気持ちは分からないのだけれども)

その結果、『たまたま居合わせたお客さん』だったら、ライヴハウスもブログの人も最低だなと感じる話かなと思いました。
(あるいは、そういった人たちにあのブログは向けられていたのかなとも思い至りました。)

また『ブログを書いた人』に関しても。
自分が正しいと思って行動したのであれば。誰に何を言われても自分の責任でしかなく、責められるのも(多少は)覚悟していたと思うので、『ブログを書いた人』が悪いとは思いません。
プロとして甘い!という意見もあるだろうけれど、甘かったらいけないわけでもないです。だって、誰もが甘い状態から始まっているのだから。
その中で、プロの世界は厳しいんだなと知っていくわけなのだから。
それはその人の現在の状態の話であって、それを責めるのであれば、誰もプロになる第一歩を踏み出すことができなくなる。
(プロになろうとしている人なのかは、分からないですけど。すみません、他のエントリーを読み込んでないです。。)

『酔っ払って騒いでいた人たち』については、マナーの問題で。
でも、マナーの悪い客がいるのも当然の話で。
対処法はいろいろとあると思うんです。
出演者が対応することもあるし、スタッフが対応することもあるし、店長が対応することもあるし、センスのあるお客さんが対応することもある。
(私がライヴハウスに通うようになったのは、目の前でセンスのあるお客さんが数々の問題を解決してきたからと言っても過言ではないのです。)

で。
様々な角度から、この話を読み解いていった結果、一番の問題点はどこかと言うと。
このエントリのタイトルにもある通り、クレーム対応初動ミスだと思い至りました。

様々な問題がはらんでいるので、意見を言おうと思えばいくらでも言えるし。
この話を教訓にして学ぶことも多いので、闊達に議論するのも大事なんだと思うんですけど。
「オレは新宿JAMを愛している。悪く言うヤツは許せない。」というスタンスでブログの方を責める方をお見受けしたんですが、それは違うんじゃないかなと思っています。
(その気持ちはとても素晴らしいものだと思うけれど、それを武器にしてしまうのは違うのではないかなと思います。)

何故なら、クレーム対応の初動ミスの話だから。

たぶんブログの方も、電話でのやり取りで、きちんと向き合って話を聞いてくれていたら、ここまで書いてないと思うんです。

だって、文章読むと分かると思うんですが、かなり冷静に書いてますよね。
自分よりも『ブログの方に誘われて参加したお客さん』のほうが怒っていることを十分に伝えていると思うんです。怒っている時に、ここまで書けないですよ。

怒っていながらも冷静だった。

なのに、「どんな理由があろうともステージを降りたのは言い訳しようがありません」と書かなかった。そう書いたほうが味方をしてくれる人も多くなるのに。
その冷静さを持てなかったのは、やはり、本当に許せなかったからだと思うんです。
何が許せなかったかと言えば、ステージで起きたこともそうだけれど、クレームを言った時の態度だと思うんです。

ブログも、そこを問題視するために、そこに向けて書いているような気もします。
ステージについての話は、あくまで前提として書いている印象です。
ただ、多くの人がそこについて意見をしているのかなと。
でもまぁ、そうなってしまうのも当然なのかなぁ。

また、この件に関しては、新宿JAMが謝罪文を出していました。

さて。
ここまで書いて件のブログを見なおしたら、この謝罪文についてのコメントを追記していることに気づきました。(気付くの遅いですね、、、)

ブログを書いた人の中では、謝罪文をもって、一旦解決したようです。

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このエントリーで、この話題について取り上げた理由について、改めて説明します。
この話題について、いろいろな角度から意見を述べることも、もちろん大切なのですが。
「クレーム対応初動ミス」という観点での指摘がないなぁと気付いたので、書きました。

ライヴハウスは客商売だと思います。
お客さんとは、ライヴを見に来る方だけではなく、出演者もそうだと思います。
一緒にステージを作り上げていくパートナーであると同時に、お客さんでもあると思います。
そのことを軽視してしまっていたが故の、今回の話なのではないかと思いました。

問題が起きないように行動するのは大切です。
そのための準備はしなくてはならないとも思います。
しかし、それでも起きてしまうのが問題です。
クレームを入れられることもあると思います。
そのクレームに対してどう対応するのか。
それは客商売をしている人であれば、当然考えなくてはいけないことだと思います。
(今の時代では、「当然」と言わざるをえないと思っています。)

なので、クレーム対応の観点からも対策を考える必要があると考え、指摘するエントリーを書きました。
(ここでいうクレームは「正当なクレーム」「正当でないクレーム」の両方の意味を含みます。今回のブログがどちらであるかについての判断は行いません。)

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最後に。
「ブログを書いた人」について、ツイートの引用をしましたが、文中には名前を書きませんでした。これは本人を擁護するためでも何でもなく、興味の対象外だからです。

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