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こじろうとの出会い

"こじろう"は愛犬。
私に大きな影響を与えた張本犬だ。

「不純物を楽しむ」
これを教えてくれたのは他でもない。
こじろうだった。

私は世界を憎んでいたことがある。幼少期の頃だ。理不尽、無駄、矛盾だらけの世界にうんざりだった。この不純物たちは私を学問じみた疑問へと誘なう。私とは何か。人とは。生命とは。地球とは。宇宙とは。、、、問いが絶えなかった。

問いというものは面白いもので、追求しすぎると死という答えに辿り着く。どんな問いもそうだ。幼稚な私には極端な解決策しか浮かばない。不純物を押し付けてくる大人の死。全人類の死。私の死。

私とこじろうの出会いは約10年前。
小学3年生の夏が終わる頃。
近くのスーパーマーケットの駐車場で見つけた。
段ボール箱の中に4体。黒い生命が転がっていた。
へその緒がついていて、目は開いていない。耳も閉じている。生まれたばかりの子犬だった。

黒い子犬4匹をうちへ連れて帰った。ペットシーツを敷き、ミルクをやり、便を拭う。世話をするにつれて愛着が湧く。しかし、うちには4匹も飼う余裕はない。近所、知人に貰い手を募ったところ、3匹分は見つかった。最も体が小さい1匹が売れ残った。そいつに、こじろう(小次郎)と名付けた。

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