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友達の家を探しに行った話(3)

さて、一度その家を去った私達。家から出ると、私とモモちゃんはお互いに彼の印象を語りました。私の中では彼に対するもやもやがたまっており、モモちゃんに伝えると「あなたも?」と言いました。

モモちゃんは頼りになるお兄さん(ドイツ住まい)に電話をし、10分ほどクレオール語(フランス語と英語のリミックス的な、彼女の母国語)で何か話し合っていました。電話を終えると、モモちゃんは「もう一度交渉してくる!」と言いました。お兄さんに、約束と違うことを言われたわけを聞くように言われたそうです。

私たちはもう一度その家に戻り、チャイムを鳴らしました。さっきの男の人が出てきて私達の顔を見ると、5分ほど待つように言われました。

少し待って家に通されると、モモちゃんは切り出しました。「サイトに書いていた値段と聞いた価格が違う!しかも、メールでは3つの部屋がこの地域にあって、全て見せてくれる約束だったでしょ」
大家の男性は、目に見てわかるほど不機嫌になりました。「サイトを見てみろ!ちゃんと値段が書いてある。」モモちゃんがサイトを確認すると…いえ、書いてありませんでした。再びそれを指摘すると、男性は「分かった。明日も来てくれれば、他の部屋も見せてやる。でも、遠くにあるから行くのが大変だし、この部屋より危険でうるさい。」と言いました。

途中、チャイムが鳴り訪問してきた人がいました。その客に向かって、大家の彼は「Who Are You!!??」と不機嫌な態度で接しました。訪問してきたのはこの家の入居者の家族でした。ちゃんとアポイントもとったうえで来たようですが、大家さんは彼らに文句を言った後そこで待つように言いました、これらの状況を総合的に判断して、多分もうモモちゃんはこの家に住む気はなかったと思います。

私たちはそれ以上言わず、この家を再び出ました。
モモちゃんは「あいつの顔にパンチくらわせたい!!」と怒っていましたが、それを聞いて笑ってしまいました。モモちゃんはモーリシャスで空手を習っていたことがあるそうで、茶帯を持っています。きっと家主の彼の歯も折れてしまうでしょう。

この出来事で私はモモちゃんを尊敬しました。私よりも年下の、弱冠19歳の彼女が再び家に戻って家主に正面から向き合ったからです。
自分の国ならまだしも、ドイツの知らない土地で不条理な目にあってしっかり言い返すことができるでしょうか?私にはとてもじゃないけどできません。それも、自分より大きく、不機嫌な40代ほどの男性です。そんな勇気ありません…。

私の育った国日本では、なんとなく空気を察するのが日常で、言わなくてもわかってもらえることが多いです。しかしドイツに来て、自分の思ったことはしっかり主張しなくてはいけないのだと感じました。
特に私は、普段から負の感情を表に出すのが大の苦手です。ですが、彼女を見習って自分の主張をしっかりできるようになりたいと思いました。


さて、家探しが終わった私たちはたまったもやもやが爆発寸前でした。「さっきの出来事を忘れる楽しいことをしよう」と気持ちを切り替え、モモちゃんと遊びに行きました。再びU-bahnに乗っていきました。恐竜の博物館の前で写真を撮ったり、LOVEと書かれたモニュメント(逆から見るとhate)を見て楽しみました。


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本当は、「今日はビールを飲まないとやってられない!!!」と話していたのですが、生憎今日は日曜日…多くの店が閉まっています。(注:モーリシャスでもドイツでも、19歳はお酒が飲めます!)二人でやっていたピザ屋さんでピザを食べて帰りました。

大変な一日だったけど、本当に勉強になった…
ドイツ語の勉強も大事だけど、こういう経験ができてよかったです。
そして何よりもモモちゃんとの仲が深まった気がします!

ドイツに来て2週間目の週末、お部屋探しのお話でした。モモちゃんが良い部屋を見つけられますように!

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