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■NHKが超特ダネに塩対応

マスコミってナニ?(40)

ニュースの存在を考える 「マスコミへの道」改

◇もうみんなが戦争モードなのです

近現代史、特に「太平洋戦争」前後の事象に関心を持っている。
年ごとに、テレビでは戦争のことを取り上げる番組は減っているが、時々にドキュメンタリー、ドラマで「戦争もの」は放送される。ぼくはDVDレコーダーの番組表の検索機能を使い、ドキュメンタリー→戦争…と検索して番組を探し、録画している。

そんな中、見たのがNHKのBS「軍人スポークスマンの戦争 〜大本営発表の真実〜」という番組だ。
きのう12月17日の深夜11時という時間に放送され、録画したものをついさっき見終えた。
この番組の肝は、「大本営発表文書」の原本が見つかった――という大特ダネである。
番組にも登場する保坂正康らの戦史、近現代史の専門家も「一級の資料。初めて見た」と驚くものをこの番組が見つけたのである。

終戦直後、当然膨大な資料とともに焼却処分されていたはずのものが、そのまま残っていたとは…。
これを、朝日や毎日といった新聞が取材で見つけたものなら1面に持ってくる「ネタ」だろう。
だが、NHKはニュースでこの事実を報じ、番組の宣伝をすることもなく、こんな深夜に放送するという極めて冷遇した、としか思えない。
最後までこの番組を見ると分かるが、制作者に「TBSスパークル」とあった。数年前にできたTBSの制作子会社だ。
NHKのBSドキュメンタリーは、かなりの割合でNHK以外の制作会社が取材、制作しているものが多い。ただ、独立系のプロダクションが多い印象で、なぜTBS系の会社が入り、それがTBSで放送――という流れにならなかったのか…。
そのあたりの真相はまったく分からない。
しかし、そのことを措いても、この番組の扱いの悪さはどうしたものか。

防衛費増、かつてないほど戦争に日本が向かうこの時世。
80年前の旧軍の行いがどうであったかを「暴く」ような番組は、今の時代の流れに歯向かうもの、という見方をしての、塩対応――。
そうとしか思えず、世の中みな戦争モードに入ってるということか。

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