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■あの言葉づかいが大キライ

マスコミってナニ?(59)ニュースの存在を考える 「マスコミへの道」改

◇〇〇させていただきます…

過剰とも思える丁寧語の使用のひとつではないか。
政治家も、芸能人も、スポーツ選手…そして一般人も。

「〇〇させていただきます」を連発する。

きょうのことである。
午前中、義母が手術を受けた病院を転院(リハビリのため)するのに立ち会った。
看護師が、「では、退院するので腕のバンドを外させていただきます」
「お薬のほうお渡しさせていただきます」
などという。
20代半ばから後半といった感じの女性。まじめに仕事をしてらっしゃるが、そこまで丁寧な言葉づかいはいらないよ。
病院で、「患者さま」という呼称も一般的になって久しいが。

そして同日午後。僕はハローワークに行った。失業中なので、雇用保険をもらうための説明会に出た。
そこで職員がいろいろと話すのだが…。
「では、DVDでのほうで手続きを説明させていただきます」
「マイクの調子が悪いので、地声で失礼させていただきます」
などなど…どれもこれも、させていただきますなのである。

気になってしようがない。

◇最悪なのは政治家

先のジャニーズ事務所の記者会見でも、ヒガシこと東山紀之などはマイクに向かい何を発言するにしても「…させていただきます…」という。
まあ、それが当たり前という感じ。

芸能人グループが「わたしたち解散させていただきます」とか、スポーツ選手が「このたび引退させていただきます」…というのもよく聞く。

最悪なのは、政治家だ。岸田首相などもよく使う。国会でも、官邸のぶら下がり会見でも、何をいうにしても「…させていただきます」ばかり。

「させていただく」という言葉には、周りからの要望、周りの意思を受け入れて行うことだと思う。
そこには、「自分が、自分の責任において行う」といった気持ちが見えないのである。

くどくどと書いてしまったが、先日の朝日新聞の記事でその「させていただく」が見出しになっていた。
高市氏、総裁選に意欲
テレビ番組内でそう言ったのだという。

にしても、将来の首相の座をねらうのは、国会議員ともなれば当然の「志」だと思うが、その気持ちを表明するに際して「戦わせていただく」はないだろう。

もはや、それを使うのが当たり前になっていて、僕のように違和感を持つほうが少数派なのだろう。
文字で書かれる新聞記事にはさすがに少ないけれど、テレビなどでもアナウンサー、出演者らは平気で使っている。

言葉の乱れ――などと受け止め、気にしていては、こちらのほうが疲れてしまいそうだ。

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