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■頭がイイ人が書いた詩…らしい

「詩集」を読んで (18) 不定期刊

◇望月遊馬 詩集2題
焼け跡         思潮社 2012年7月刊 
水辺に透きとおっていく 思潮社 2015年5月刊

いずれも、この詩人の詩集で図書館にあったものを借りて読んだ。
「焼け跡」の惹句に曰く「洗いざらしの焼け跡へようこそ!  ゼロ年代の現代詩が産み落とした至高のコトバの果実――。第44回現代詩手帖賞を受賞した詩人・望月遊馬による第2詩集」なんだそうである。
「水辺――」は第3詩集で、第26回歴程新鋭賞受賞。

前回、批評を書いた「零余子回報(むかごかいほう)」(森本孝徳)ほどのワケのわからなさはないが、現代詩手帖に載る現代詩の範囲内という印象の詩が並ぶ。

例えば、「水辺――」にある「雨の庭」という詩。

雨を/ひきわける/二枚貝のように/くちびるを濡らして/そっと引き金をひく/朝//銃声よ どこよりもここへとどけ

雨の庭

前にも書いたが、銃なんて触ったこともないものを持ち出して、さらに引き金をひく…なんていう表現。現代詩のど真ん中っていう感じ。大正時代くらいから今に至るまで数えきれない詩人が使ったような表現――。
見ただけで、心がぬるくなった…。

ゆっくりと、繰り返して読めば、何事かが僕のなかに沁みとおるのかもしれないが、パッパッと読む分には「なんだかなー」の気持ちのほうが勝る。

詩には共感できにくいのだが、この方は19歳で現代詩手帖賞を最果タヒとともに受賞するなど、デビュー時は華々しかったようだ。
それを除く、受賞歴はコチラだが候補どまりで、正賞を射止めたことはないようで。
Wikipediaには「IQ上位2パーセント国際グループMENSA会員」などということが書かれていて、「難解な」詩を書くには、やはり学習障害レベルのぶっ飛んだ知能が必要なのか、と思わさせられる。

彼は、6月からnoteにも詩を投稿されているが、あまりスキもついておらず…。
他人事ながら、何をやって食っているのかな、と…。
教員とか、研究職とかなんだろうか。

バチンと、自分にとってインパクトを感じない詩、詩人については、結局つまらない情報ばかりを追いかけてしまい、ここに書きつづってしまう。
検索すれば、それなりにその詩人の情報も出てはくるのだから、仕方ない。
自分と嗜好が違うとはいえ、こういう書き方で詩と詩人にアプローチするのは失礼だろうか。
いや、曲がりなりにも世間に詩集を複数出しているのだから、どんな批評にもさらされてもよいはずだ。
その意味では、また読んでみたい…とはあまり感じないのだった。


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