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家庭医と、在宅

家庭医として在宅医療を行う上でのポイントを書いてみたい。何度も言い尽くされているかもしれないですが、お付き合いください。

家庭医の仕事を示す7つの能力を見直してみると、自分の仕事を振り返ることができます。特に下の3つは家庭医に特徴的と思われます。

  • 包括的統合アプローチ

  • 患者中心の医療・ケア

  • 地域包括ケアを含む地域志向アプローチ

その他のものは後付けでなんとか習得できるかもしれませんが、多少の違いはあります。

  • 一般的な健康問題に対応する診療能力

  • 連携重視のマネジメント

  • 多様な診療の場に対応する能力

  • 公益に資する職業規範

なんとなく今の在宅医療って、この四つがまあまあできればやれている感じがしています。
経営者としての才能も結構必要ではあるので、マネジメント能力も大事です。

なんですけど、最初の三つに関しては、家庭医として研修できていないと多分わからない。そこが本質的な違いじゃないかと思います。

一つ目。
包括的統合アプローチ。

簡単にいえば、ごっちゃになった問題をいろんな方法を使ってうまくやること。
しかも、そのリーダーとなって振る舞える。
僕、それ専門じゃないから、とか、
専門医が往診します、ではなく、
家庭医が一回見て間に入ることです。
これは結構ポイントだと思います。

二つ目は飛ばして三つ目の地域志向アプローチ。
これはどうなんでしょう。
いろんなタイプの人がいるので一概にいえないですが、その診療場所の中に自分の身を投じることかと思います。
地域包括ケアというワードがもう古くさくなっていますが、地域のリソースをよく知っていないとできないことです。
包括支援センターに顔を出すとか、
訪問看護と交流するとか。
でもそれだけじゃない何か。
見た目派手な活動でも大したことがなかったり。
患者中心の医療とも被りますが、その地域に合わない医療を展開しないというか。
だから古い開業医さんとかは信頼されますね。
この辺は最近チーム医療が進んで、医師だけではない話になってきたので大差ない気がします。

そして、患者中心の医療とケア。
よく僕は皮膚科のかかりつけ医ですとか、循環器やってる家庭医ですとか、なんでもありになっていますが、そうではありません。
これが一番大事で。

患者さんの病気ではなく患者さん本人をみているか。
医療の押し付けではなく共通の理解基盤が持てているか。
まあそこでEBMが実践できるかもあります。
全て患者のためにやってますからというのは嘘くさい。
本当に必要なものは何か。
無駄な医療をしていないかを常にチェックできるか。
そういうことが家庭医だとできるということだと思います。

改めてみると、家庭医の研修目標は自分の仕事そのものにマッチしていることがわかりました。もう少し深めて考えてみたくなりましたので、また追記していきます。

では。

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