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コロナと検査と。

インフルエンザの時も思っていた。どうしてわざわざ検査しに病院に来るのだろう。しんどいならうちで寝ていればいいし、寒気がして辛い中来なくてもいいのに。会社がしてこいと言ったから来てるんだろうけど、別に休めばいいことだ。検査したって絶対なんてものはないのに。

またそんなことが起こっているようだ。コロナの検査をするために病院に行く。検査キットがないから症状から診断しても良くなった。自宅療養は同じようにしてていいみたい。自分で検査しなさいとまで言い始めた。

例えば他の病気だったらどうか。溶連菌の患者さんは風邪とは違って咽頭痛が主体で高熱が出るが自然には治らない。だから検査をして菌を確かめて薬を出す。それが医師の仕事になる。他にも数多くの可能性を考えて診断を絞っていくのは、医師でも日々鍛錬していないと勘が鈍る。

いくらAIが発達したからといって、問診の手順は簡単ではない。webベースの問診を試しているが、ちょっとしたアンケートのように何度も何度も質問が繰り返して聞かれる。途中でちょっと嫌になる。医師が違うのはどこかで経験と勘が加わることだ。ひょっとしたらぱっと見か一つの問診だけで診断できるかもしれない。

なんとなく医師の診断が一般でもできるかのような雰囲気になっている。テレビのコメンテーターがこう言ったから私もそうじゃないかと思うのは勝手だけれど、それはあなたの体の診断ではない。一般的な話なのである。

もちろん医師も検査に頼っている。この検査がプラスになればこの病気の可能性が高まる。そう、絶対ではないのだ。確率はゼロから百かではなく曖昧なので、結局のところわからないと医者が言う。そう、大してわからないことを扱うのが医学なのです。陰性だったらコロナじゃない、なんてことはなくなっていますよねえ。

日々、抗原陽性かPCR検査陽性かを待ち続ける先生方、夜通し検査をしている検査技師の方々に敬意を表して。
じゃあ一般人はどうしたらいいんだよと憤りを感じてしまうでしょうか、ひとまず医師もそんなことをやっていると理解していただければ十分。
検査キットを増やしたとて、医療従事者の仕事は増えるだけだ。保健所もそうだろう。生めよ増やせよだけなら、誰でもできる。

ひとまずワクチンを打ちましょう、だ。自分のためにじゃなく、社会のために。自分はかからないかもしれない、でも、誰かのために打つんでしょう。

家庭医のたわごととしてお聞きいただければ。

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