私の芝居日記 7号「パレードを待ちながら」
銃後を守る奉仕活動
「パレードを待ちながら」は第2次大戦下、カナダ・カルガリーで銃後を守り奉仕活動に励む5人の女たちの物語です。
我が国でも同じ時代、出征兵士の見送りや慰問袋の作成などをしていた国防婦人会という団体がありました。我が国特有の活動だと思っていましたが似た活動をしていた国があったんですね。
女性解放の視点で見ると、家にしばりつけられ、自由な外出もままならなかった一般女性を家庭から「解放」して家庭外での活動を可能にしたと評価されることもあるようです。
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「パレードを待ちながら」(劇団民藝)
作:ジョン・マレル 訳=吉原豊司
演出:田中麻衣子
出演: いまむら小穂、藤巻るも、吉田陽子、金井由妃、森田咲子
日時:2021年9月4日(土) 初日 13時30分~
劇場:紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA
若手、中堅の元気な女優5人の舞台。少しずつ回る円形舞台の上で物語は進みます。5人の女優はほぼ出ずっぱり。
気丈な奉仕活動のリーダー、夫をヨーロッパ戦線に送り出した妻、ドイツからの移民のため父親が収容所に送られた娘、反戦活動で捕まった息子を案じる母親と様々な背景を持つ女性達が登場します。
包帯づくりや戦場に赴く兵士への贈り物づくりといった奉仕作業をしながら、戦争がもたらす物資不足への不満、戦場の夫を心配する気持ち、どうしようもない不安や孤独を赤裸々にぶつけ合います。
戦争という重いテーマですが、歌もあり、パフォーマンスもありの華やかな舞台です。
円形の舞台、そこに降りそそぐ照明、舞台上部に吊るされた幾つもの電球。舞台を観るだけで価値があります。今まで観た舞台でも一、二に数えられます。演技を際立たせて、綺麗です。
パスターやチラシ、パンフレットに使われた絵もとても良い。
また、次回お会いしましょう。さようなら。
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