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障害年金 「社会的治癒」とは?

「社会的治癒」という言葉を耳にすることがあります。この言葉を調べてみましたが辞書にもありませんでした。

多くの関連書籍やWEB上で内容が紹介されています。しかし厚生労働省日本年金機構のホームページでの詳しい解説は見当たりません

つまり「社会的治癒」は法文に規定されているものではなく、審査や判例において個別具体的に判断されています。

その「社会的治癒」どのような場合に検討されるのでしょうか。

障害年金の請求において、初診日がどちらになるのか、悩むことがあります。

一つの疾病について、過去に受診歴があり、その後症状が治まり長期間治療をすることなく仕事を含めて通常の日常生活を難なく過ごせていたが、再度症状が発生して治療を再開した場合等・・

障害年金請求においては、関連ある傷病であれば、初めて医師の診断を受けた日を報告することになります。

しかし、最初の受診が国民年金被保険者期間であれば、基礎年金のみになります。

その後、長い年月を経て症状が再発した場合等、後の受診が厚生年金被保険者期間であれば、障害基礎年金+障害厚生年金として認定の可能性があります。

また、最初の受診は保険料納付要件を満たさず請求できないが、再発後の受診であれば保険料納付要件を満たす場合、障害年金請求できる可能性も出てきます。

「社会的治癒」を求める場合、病歴・就労等申立書等において、その状況について詳しく説明する必要があります。

それでも審査では簡単に認められるものではありません。

社会的治癒の主張による初診日は認められず、却下通知が届いた場合は審査請求・再審査請求の可能性を検討する必要があり、結果的に長期間結果が確定しないこともあります。

こういう状況であれば「社会的治癒」として初診日が認定されると言えないのは何とも歯がゆいですが、可能性が少しでもあるのであれば、「社会的治癒」を主張するのも一つの方法です。






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