年金と労災保険の調整
業務上または通勤災害により労災保険からも同時に年金給付が受けられる場合もあります。
この場合、障害年金(20歳前障害除く)と遺族年金は全額支給され、労災保険が一定の割合で減額調整されます。老齢年金は労災と調整されません。
労災保険の保険料は全額事業主負担です。調整された労災年金の額と厚生年金の額の合計が、調整前の労災年金の額より低くならないように考慮されています。
注意することは、労働基準法による補償を受けられるときは障害(遺族)基礎・厚生年金を6年間支給停止する(国年法36条・厚年法54条)という法律があることです。
ややこしいですが、労働基準法による補償と労災保険は別として考えられています。
労働基準法上の補償責任とは別に、不法行為・債務不履行(安全配慮義務違反)などの事由により被災者等から事業主に対し民法上の損害賠償請求がされることもあります。
慰謝料などは労災保険から支払われないため、企業は労災保険の上乗せ給付などの民間保険を万一のために用意する必要があるかもしれません。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?