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障害年金 障害認定日の遡及請求とは?

今回は障害認定日請求の遡及について見ていきたいと思います。

遡及(そきゅう)とは、過去にさかのぼって効力を及ぼすことです。


障害年金の請求において、初診日から1年6ヶ月経過後が障害認定日とされます。(*障害認定日の特例もあり)

認定されると障害認定日の翌月分から年金が支給されます。

本来は障害認定日経過後3カ月以内の診断書を添付して請求します。

しかし、このときに請求できることを知らなかった又は何らかの理由で請求できなかった場合、相当年数が経過してから遡って障害認定日の請求をすることが出来ます。

この場合、初診日の証明かつ障害認定日時点の診断書が取得できることが前提となります。

相当年月を経過すると、初診日や障害認定日のカルテが保存されておらず、請求することが出来なくなることも考えられるので、障害認定日が到達したら一度請求を検討しましょう。その結果、将来の事後重症請求を予定する場合は受診状況等証明書だけでも取得しておいた方が安全です。


障害認定日に請求をすることを知らず、その後10年経過してから初診日証明、診断書等がそろって請求をしたと仮定します。

10年間分の年金が遡ってもらえるでしょうか?


受給権が発生した年金の支給を受ける権利(支分権)は、会計法の規定により、5年を経過したときは時効によって消滅します。

つまり、遡って5年間分の年金は受け取れますが、5年経過した期間の年金は時効により消滅しますので受け取れなくなります。

障害基礎年金2級の年額は780,900円(令和3年度)ですから、時効分の5年間分である約390万円は消えてしまいます。もし障害厚生年金2級以上で配偶者や子の加算も付き、年額200万円程ある場合だと1千万円近い年金が時効によって消滅します。

法律で定められているとはいえ、非常にもったいないです。

本来、障害認定日時点で認定される状態にある遡及請求はあってはならないと思います。

障害認定日から5年以内であれば時効はありません。繰り返しになりますが、早めの請求を検討することが時効にかかる期間をなくし、もれのない年金を受給することにつながります。



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