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素朴な疑問を話し合える「哲学対話」って何?

こんにちは
 
ゆっくり一人で物事を考える秋は
これから来る夏の後でまだまだですが

物事をワイワイ話しながら
時には人の話をじっくり聞きながら
その場にいる人と輪になって考える
これからくる夏に似合いそうな
おしゃべり会について
お話ししたいと思います

1.「哲学対話」って何?


その名は「哲学対話」
哲学って言葉はとても堅苦しくて難しい印象ですが
そのあとに「対話」って言葉がつくと
ずいぶんカジュアルなものになります

簡単に言うと
『子供からお年を召された方まで同じ輪に入って物事を考える』
という素敵なおしゃべり会です

友達や家族とは日常生活ではなかなか恥ずかしくて
話せないことも話せてしまう不思議な会です

おしゃべり会のルールは少し多めの8つ

■哲学対話のわかりやすい説明を東京大学の梶谷真司先生がなさっています
https://www.u-tokyo.ac.jp/focus/ja/features/diversityresearch05.html
哲学対話の8つのルール
1.何を言ってもいい
2.人の言うことに対して否定的な態度をとらない
3.発言せず、ただ聞いているだけでもいい
4.お互いに問いかけるようにする
5.知識ではなく、自分の経験にそくして話す
6.話がまとまらなくてもいい
7.意見が変わってもいい
8.分からなくなってもいい
(出典:梶谷真司著「考えるとはどういうことか」2018年9月刊、幻冬舎新書 )

■YouTubeで動画でも梶谷先生がルールを紹介しています
最初の15分くらいでだいたい内容がわかります
https://www.youtube.com/watch?v=i2YSiBe7Z6M&t=2618s

これは魔法のルールで
おしゃべり会がとても暖かい雰囲気になります

ポイントは「3.発言せず、ただ聞いているだけでもいい」で
発言することから解放されて人の話を集中して聞いていると
不思議と話したくなってきます

2. どんな話をするの?


テーマが最初から決まっている会もあれば
まったく白紙から始まるものもあります

白紙の場合は話題はなんでもOKで
例えば
「なぜ勉強をしなければならないのか?
「なぜこんなに忙しいのか?」
「お金とは?」
「恋とは?愛とは?」
「善と悪とは?」
「社会の発展とは何か?
「人はなぜ青色をみると落ち着くのか?」
「地球の寿命をどうとらえたらいいのか?」
などなど・・

3. 実際にどんな話になるの?


私の体験談を少しお話しようと思います
参加したのは「ファッションを巡る哲学対話」という
ファッションについての話題に絞った会です

私が考えたいこととして共有したのは
「服だけで作品の意図を伝えることができるのか?」でした

これ以降は哲学対話の素敵なルール
「6.話がまとまらなくてもいい」のように混沌とした
お話になりますのでこの章はここから飛ばしていただいてもよいかと・・
こんなところも堅苦しくない哲学対話の魅力かもしれません

私はファッションについて全く興味がなかったですが
たまたま川久保怜さん(コム・デ・ギャルソンの創始者)という
有名なファッションデザイナーの方の
インタビュー記事を読んでとても彼女の作品に
興味を持ちましたが
残念ながら彼女の作品を見ても伝わってくることがなくて
その作品の説明を言葉で理解してから見ると
伝わってくるものがあった経験があり
なんだかモヤモヤした感じがあることをお話ししました

■川久保玲さんの作品が美しい動画で紹介されています
https://www.metmuseum.org/ja/exhibitions/listings/2017/rei-kawakubo

表現方法として
歌 映画 演劇 小説 詩には物語があり
音楽 絵画 彫刻には明確な意図があり
抽象的なコンテンポラリーダンスでも空間や動きで何かが伝わってくる
それに対してファッションの主体である服はそれ単体で何かを
伝えているだろうか?

結局作品の説明として言葉が必要になるならば
服で何かを伝える試みとしては失敗なのではないのか?

人が着るという「服」という制約の中で表現することは
とても難しいことではないのか?

服の「機能」と「表現」は別ものであるところも
作品として成立させることの難しさかもしれない

「アーティストステートメント」はアーティストが何を伝えたいかを言語化する行為でとても重要
参考リンクです https://mskham.com/2020/08/09/post-488/

このあたりでこの話題は今回の会では終わりとなり
そのほかの話題になりました

4. 結論は出す必要があるの?


哲学対話では「結論を出す場ではなく」
持っている疑問をさらに考えるきっかけをつくることが
重要なところかもしれません

会の後一人で少し考えたら

どの表現方法も実は伝えたいことが言語化されていて
その伝えたい想いを受け手の心に響かせる行為
こそが様々な表現方法かも・・

という自分の中での整理となっています(現在進行形ですが・・)

川久保玲さんの例に戻ると
彼女の卓越した言語化能力で強い想いを固めて
それを服という形で具現化しているのかも・・
という考えが強くなってきています

アーティストの想いを人々に心に深く刻むことができれば
説明が言葉で必要だとしても表現として大成功なのかもしれません

こんな感じで哲学対話はいろんな人と話すことで
モヤモヤした疑問を考えることを助けてくれる存在なのかもしれません

5. 参加はどうしたらいいの?


最後に哲学対話の参加方法についてお話します

対面でもオンラインでも開催予定を調べてみて
面白そうな会に参加してみてください

ただ何事にも負の面があるもので
何かの勧誘を目的に会を開いているかもしれませんので
しっかり調べてから参加されることをお勧めします

■全国の哲学対話の開催予定です 
https://calendar.google.com/calendar/embed?src=philocafeaichi2020%40gmail.com&ctz=Asia%2FTokyo
(出典:Philosophy 愛知さん)

みなさんもぜひ哲学対話で楽しい時間をすごしてください

それでは また

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