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歯のお掃除?なぜ何度も呼ばれるのか?

歯科医院を受診したことがある人なら大半の人が経験した事のある歯のお掃除。またの名を

「スケーリング」

と呼びます。
英語表記のscalingであり直訳では剥離という意味がありますが文字通り歯の表面に溜まった汚れを機械によって剥がすことからこの名前になったと考えられます。 

今回は使用する機材や細かな手技の話は後日話す事として、なぜ何度も呼ばれる事があるのか?一度で終わりに出来ない理由とは?について説明していきたいと思います。


何度も呼ばれるそのワケは?

何度も来なければいけない理由はズバリ

「検査の結果が必要」

だからです。


と言われても何のこと?と思われるので順を追って説明していきます。

保険診療には厚生局の決めた「治療の流れ」がある程度決まっています、なので保険で治療をする以上国が決めた治療の流れから外れる事は許されません。



歯周病治療の流れって?

その流れとは

①歯周病検査
②スケーリング
③歯周病再検査
④スケーリング、ルートプレーニング
⑤歯周病再検査
…続く…


と簡潔にまとめるとこの様な順番で治療を進めていく事になります。
何度も呼ばれる理由は

②と③にあります。



特に②は都道府県ごとにルールが違うこともあるために複雑になっています。


具体的な治療の流れとは?

まずは患者さんのお口の中を検査し、その結果スケーリングが必要と判断したとします。
この場合、保険のルール上

「口の中を6ブロック」

に分けなければなりません。この6ブロックを1度にやれるかどうかというところが来院回数に繋がるのです。

しかし、県によっては複数回に分けるべきと指導しているとこがあるのも現実です。
保険のルールに則ると6回に分けてスケーリングを行うことは全く問題ではないということになります。

しかしこれでは一度の治療で4-6本ずつしかスケーリングを行うことができません。

これでは治療の進みも遅くなりますし患者さんの負担も増えてしまうので大体の医院では1-2回の来院でスケーリングが完了するような方針にしていると思います。


歯周病の検査とは?

プローブによるポケット測定

次に③についてですがこれは①②と同じ日に行うことが出来ません。

考えてみれば当然ですが、腫れや出血がある状態ではスケーリングの効果がどれほどあったのか判断はできません。

なので③については日を改めて行う必要があるのです。


まとめ

ややこしい話が続きましたが話をまとめますと、

歯のお掃除が一度で終わらない理由は

①都道府県によっては1度に全ての歯をスケーリングをすることが推奨されていない

②スケーリングが終了しても検査を行いどう変化したかを記載する必要がある


この2点によるところです。

そうは言っても行くたびに全ての歯を磨かれている人もいるかと思います。

それは例え治療代として請求が出来なくても患者さんの歯を守るために全ての歯を磨くように指導している素晴らしい歯科医院なのです。

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