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商社の原点『売り手よし、買い手よし、世間よし』を「伊藤忠」から学べること

タイトル:伊藤忠 躍進の秘密 商社新時代を切り開く『野武士集団』大研究という副題の 2017年1月7日 株式会社 洋泉社発行の10人の執筆者により構成されたA4判の雑誌です。 

財閥系の総合商社を抜いて2016年5月の決算発表で業界トップに踊り出た伊藤忠商事ですが創立から160年、現在まで危機があっても乗り越えてきた総合商社です。また野武士集団と言われるように財閥系総合商社と比較される中、どのようなことをして過去の危機を乗り越えて、存続拡大し、トップに躍り出た伊藤忠ですが何がそうさせたのか、そうなったのかに興味がわきこの本を読んでみました。

その理由の一つと目されるのが2010年から経営の舵取りをされている岡藤社長(現会長)体制になってからの3つのポイントに絞られています。①投資先の見極め、②強力なパートナー、③スピード感です。投資先の見極めにおいては強い分野を目指し、強力なパートナーにおいては狙う市場のキープレーヤーと組むこと、そしてスピード感では経営判断、実行が早いということを本書では挙げています。やはり岡藤体制になってから興味を抱くのは岡藤社長の考え方、経営的な判断などに学ぶべきところが個人でもたくさんあると思い、読み進めていきますと、岡藤社長のインタビューで「勝つための『商人』論」ということで話されていて下記のように指摘されています。

*「自社だけで儲ける」では商売は長続きしない。お互いにWIN・WINになるような関係構築を意識してお客様が儲かるようなビジネスの紹介、あるいは商社機能の紹介が基本になる。

*2点取られても3点取り返すという反発力のようなものを意識して対応をする。また野武士集団を率いて後ろで指示をしているのですがいろいろな面で率先垂範し、いつも矢面に立たなければならないという意識を常に持って活動している。国内外を問わず現場に出向き必要に応じてアドバイスをしている。

 岡藤社長の人となりに興味がわき、本書籍に記載している中での岡藤社長の半生も下記記載されていましたので読んでみました。 実家は在版百貨店の食堂などに野菜や総菜を納入されておられ商売の浮き沈みを真近で見ておられたことが勉強になったそうです。また高校3年さえ位の時に父親を亡くされ、その後、東京大学 経済学部に合格されてから上京されました。家庭教師のアルバイトを掛け持ちして、2年から入寮された。乗馬クラブに入るも馬に乗せてもらえず草むしりばかりということで3年で退部された由。商才は大学時代にから発揮され、近くの女子寮で飲み物を買いに行くのに遠方ということを聞いてメーカーと交渉して清涼飲料水の自動販売機を自前で設置されたとのこと。

そこまでされる意思、使命感、困っている人の手助けと実行力に敬服します。その方が率いる伊藤忠が総合商社TOPに躍り出たというのは、その精神が伊藤忠に伝わったのだともいえますしそう思いました。今回は岡藤社長の社長の大学時代の困った人がいたら、自分で出来ることを考えて切り開いて、交渉して実現させる岡藤社長のマインドと実行力が伴って一つの事が成しえたり、成しえる力となることを確認できたことが収穫となりました。

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