魚になりたかった
水底に光る石になりたかった
漂う紅葉になりたかった
ビルの壁を黒く濡らして
つたう涙はそう語る

色も持たず
味も持たず
帰ることも叶わず
行き着く先は有象無象
私と同じように
大河の一雫となり果てる

曇天に響く雷鳴は
声なき雨粒たちの慟哭
雲間に走る稲光は
掻き消される涙たちの怒り

晴れ上がって
虹が出て
皆が忘れたとしても
私だけでも覚えていよう


あとがき

フォルダ漁ってたら詩が出てきたので投稿しました。エッセイもどきの方楽しみにしてた人ごめんね。

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