町のことをあきらめない
現在、東京都知事選挙が盛り上がりを見せている。その中で東京都内の緑地、神宮外苑の木々を切り倒し、商業施設や新たな緑地を作る三井不動産の計画と、実質的な天下りが噂される都庁との関係性が疑問視されている。
東京都庁と三井不動産の詳しい関係は今後明らかになるだろう。日本には町とずぶずぶな企業が全国各地に存在する。
地元企業に頼むメリット
行政からの仕事を受けて仕事をする。それ自体に悪いことではない。行政の仕事は本来、町の方針を見据えて作られた政策を現実にするための行為であり、町を良くする仕事だ。
現在問題視されているずぶずぶな関係とは、町が良くなるかわかりにくい仕事を地元業者に依頼しているところにある。
例えば地元の文房具屋で役場で使う事務用品を買うとする。地元業者に頼むメリットは長年の付き合いでどれくらいどんなものが必要か熟知しており、使い手を理解した上で仕入れができる点だ。また車屋の場合、メンテナンスや非常事態にも地元なのですぐ駆けつけられる。地元業者に頼むメリットは地元に寄り添ったサービスが提供できる点だ。
問題視される地元志向
反対に、地元業者に頼むデメリットはサービスの質が悪い場合があることだ。事務用品の品揃えが悪かったり、選べる車種が限られている。または技術が低い工事業者なのに、地元だからという理由で仕事がある状態だ。
地域で集めた税金をどのように使うのかを住民が委ねる先が役場だ。地元で集めたお金を使って、地域の住民のいま抱えている課題や、長期的な目線で良くなる投資をするのが本来の役割だ。
しかし、中には地元企業や産業を守ることを優先し、地域の魅力向上や課題解決を後回しにした選択をとる場合もある。それが恒常化すると、私たちが感じる地元役場と企業のずぶずぶな関係が出来上がる。
ずぶずぶからの脱却方法
役場と企業のずぶずぶな関係が続くとせっかく集めたお金が無駄遣いされる、あるいは効率的な投資にならない場合が増える。悪循環から抜け出すためには、地域を自分ごととして捉えてあきらめないことだ。
例えば、500万円の予算が教育に充てられるとする。自分の稼いだお金であり、投資先が家族だとする。真剣に使い道を考えるはずだ。
少しでも子どもたちにとって効果的な使い方はなんだろう。少しでも良い製品を仕入れよう。そのためにはどの業者に頼もう?
あらゆる角度で深く考え、思いつく人脈や知識を総動員するだろう。
他人のお金としてしまうと、どうせもらったお金だからと、集中力が削がれてしまう。そういう意味では「補助金」や、「地方交付税交付金」は感覚を鈍らせる元凶ともいえる。
加えて、地元業者に発注する行政側は、業者の技術やサービスの向上を政策に盛り込まなければならない。
どうすれば地元の企業がよその地域や世界レベルで戦えるかを考え、地場産業が世界で通用させる仕事を用意しなければならない。
行政から端を発し、企業が応えていくことで、サービスを受ける住民の生活が豊かになる。理想とする豊かなまちづくりの筋道は官民連携ではなく、官が主導し、民が応えるまちづくりではないだろうか。
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