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虹始見(にじはじめてあらわる)|七十二候

雨上がりに虹が見え始める頃。春が深くなるとともに、だんだんと空気が潤ってくるので、この時期から雨上がりに虹を見ることが多くなります。

虹の始まりに立つと幸せになれる。
そう信じて、夫と2人で虹を追いかけたことがあります。
もちろん辿りつけませんでしたが(笑)。

私は人生の大切な時、大切な節目に、必ず虹を見ます。
ある時、3重の虹を見ました。
夫との結婚を決めた時です。

ただ今振り返ってみると、そういうことだったんだとわかるだけで、その当時はただ
「あっ、すごい虹!」
と思って見ていただけでした。

でもだからこそ、私にとって虹は特別なのです。

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虹で思い出すのは、夫に言われていろいろな色の花の温度を感じて遊んでいたことです。

駒の湯山荘に嫁いできたのは良いのですが、なにせ山の中の1軒宿ですから、何も遊ぶものがないのです。
電気もない。テレビもない。
夫以外、知り合いも友達もいない。
東京の下町でにぎやかに育った私にとって、生活環境があまりにも違いすぎます。

そんな私を見かねてか、ある時夫が
「花の温度でも見てみたら」
と言ったのです。

「何を言っているんだろう」
と最初はいぶかしく思ったのですが、実際花に手をかざしてみると、花の色によって確かに温度が違うのです。

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赤色の花は温度が低く、白色の花は温度が高く感じられます。
見た目の印象では赤い花の方が温度が高そうですが、実は逆なのです。

でも星も赤い星が白い星より表面温度が低いのと同じことなのかもしれません。

それですっかり面白くなって、いろいろな色の花に手をかざしては
「あっ、こっちの方が温かい」
「あっ、こっちの方が冷たい」
と、遊んでいました。

また花は蕾の方が温かく、特にほんの少しだけ開き始めた頃が、最も温度を高く感じます。一方、花が開ききってしまうと、少し温度が低く感じられ、枯れる寸前は、花からの温かみが感じられなくなります。

ん? 人間と同じ・・・??

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今でも手をかざすと花の温度は感じます。
でも昔の方がもっと感じていた気がします。

やはりあの頃は駒の湯山荘の女将として、温泉と自然だけの世界にどっぷりと浸かって過ごしていましたから、感度がものすごく研ぎ澄まされていたのでしょうね。
なにせ、ずっと気功体で暮らしている仙人のようなものでしたから(笑)。

秘湯と気功に感謝を込めて。