桃始笑(ももはじめてさく)|七十二候
桃のつぼみが開き、花が咲き始めること。
昔は ”咲く” を ”笑う” と表現したそうです。
雪国は、桃の花と桜の花が同じ時期に、一斉に咲きます。
それこそ、桃源郷のようです。
そして、桃の花といえば、お雛様ですね。
♪ お内裏様とお雛様。二人並んですまし顔 ♪
今の時代、
良家に嫁いで、子を産むのが女性の幸せ、などというと
それは・・・ と言われるかと思いますが、
私が結婚した時代は、まだまだそういう時代でした。
そしてそんな時代に、
誰も知り合いもいない山奥の旅館に
たった1人嫁いでいったのです。
頼れるのは夫だけ。
いつも夫が、私の世界の中心にいました。
お雛様をみていると、
つくづくこの世界は陰陽でできていると思います。
お内裏様(陽)がいて、お雛様(陰)がいる。
陽と陰が合わさって、1つの宇宙になる。
もちろん現代は
男だ、女だという時代ではないと思います。
そして、結婚もしてもいいし、しなくてもいい。
子供もいてもいいし、いなくてもいい。
その方の自由です。
しかし東洋医学的にみると
男性は陽であり、女性は陰です。
気功治療の場合も、
陽の男性と、陰の女性では違います。
たとえば、
男性の場合は、まず気のめぐり(陽の動き)を、
女性の場合は、まず血のめぐり(陰の動き)を診ます。
やはり違うものなのです。
陰陽説は東洋医学の基本です。
天と地、上と下、動と静、男と女、……。
東洋医学では、自然界の森羅万象には、陰陽で分けられる互いに対立した2つの面が存在すると考えています。
*ただし、陽陰の分け方は絶対的なものではなく、あくまでも相対的なものです。
そして陰陽は、対立するだけでなく、互いに依存しあっていると考えています。
たとえば、先ほどの気と血の関係でいうと
気(陽)は血を動かし、血(陰)は気の作用を発揮させます。
つまり、気は血に頼り、血は気に依存しているのです。
しかし、だからといって、互いに依存しきっていてはいけないのです。
バランスが大切なのです。
そしてそれは人間関係も同じです。
男(陽)も女(陰)も
依存しすぎてもいけない。
離れすぎてもいけない。
ひとつになってもいけない。
互いが自分の宇宙を大切にし、
自分の足でしっかりと立つことが大切なのです。
陰平陽和
陰気が平和で、陽気がしっかり納まっている様子
これが大切なのです。
もしかしたら、かつての私は
夫とひとつになってしまっていたのかもしれない。
そんなことも思い出す 桃の節句です。
秘湯と気功に感謝を込めて