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秘湯と気功でつづる七十二候|魚上氷 (うおこおりをいずる) 2/14~2/18頃

凍っていた川や湖の表面が割れだす頃。
「魚上氷」は、割れた氷の間から、魚が飛び跳ねる様子を表した候です。春先の薄く張った氷や解け残った氷は「薄氷 (うすらい)」などと呼ばれ、温かくなった水の中には、ゆらゆら泳ぐ魚の姿が見え始めます。

川や湖の薄い氷から
透けて見える魚たち。

これってなんだか
宇宙からみた地球の
白い雲の合間から
透けて見える私たちに
似ている気がしませんか?

ある宇宙飛行士の方が
宇宙から地球をみた様子を
こう話していました。

肉眼でそんなに地球がよく見えるものなのですか?
「見える。驚くほど見える。
 たとえば、大洋を航海している海の航跡が見える。
 中国の万里の長城が見える。
 どちらも、大した幅がないのによく見える。
 色彩とメイドのコントラストがあれば、
 相当小さいものまで見える」 

『宇宙からの帰還』(立花隆)

面白いですね。

昔から私は
自然の中にいると
空気の中というより
水の中で生きているような
感覚を抱くのです。

まるで、
海や川、湖で
水に包まれて生きている、
魚たちになったような感覚です。

以前、気功を習い始めて
まだ2年目かそのぐらいの時、
ものすっごい女性の気功師の方に
お会いしたことがありました。

駒の湯山荘に
お泊りにいらしたお客様なのですが、
なぜか私を気にかけてくださって
夜、もっと話したいとおっしゃるのです。

その頃は現役の女将でしたから
いろいろな支度、始末が終わった後、
20時過ぎでしたら大丈夫ですよ、
とお答えしました。

その方は他にも数名の方と
ご一緒だったのですが、
「わかったわ。
 皆んな寝かしつけておくから」
とさらっとおっしゃって、
本当に20時過ぎ、
他の方を寝かしつけて
一人でいらっしゃったのです。

大の大人を、
しかも数名まとめて、
20時に寝かしつけるって何事?
と思いましたが、
そんな不思議な感じの方でした。

その彼女が
「私は、どこにでも入って行ける。
 扉もすーっと通り抜けることが出来る」
というようなことを言っていたのです。

その頃の私は、
まだ彼女の言っている意味が
わからなかったのですが、
今はわかる気がします。

空になると
意識も周りの空気も
全て一つになる。
一体感をなるのだと思います。
そうすると
すーっと、扉なども
透け抜けてしまえるのだと思います。

そう言えば、
私の先生も同じような話を
されていたことがあります。

先生ご自身は
中国にいらっしゃった時は
西洋医学の精神科医でした。

そして
その精神病院で入院されていた
ある患者さんの話なのですが、
その患者さんを
鍵のかかった部屋で
監禁していたそうです。

でも、ふと病棟の近くまで行くと
その方が廊下を歩いている。
あれっと思っていると、
いつの間にか
また部屋の中に入っているそうです。

「鍵の意味が全くないね」

そう先生は笑っていましたが
本当のことなのだろうなっと思います。

周りと一体になると
すぅーっと通り抜けられるのだと思います。

先生は、
人間の意識には
大きなパワーとスピードがあると言います。
そしてその意識は
理性的な意識ではなく、
陰の意識、見えない意識、
朦朧状態の時の意識だと。

そういう意識状態になると
宇宙とつながることができると言います。

最近、
先生が言おうとされていること、
そしてあの彼女が言っていたことが
何となくわかる気がするのです。

私は彼女のように
透け抜けてしまうようなことは
できませんが、
朦朧状態、気功体となると、
まるで
水の中に包まれているような一体感を
感じるのです。

そうすると
ふわーっと浮くような、
どこにでも透け抜けて行けるような
気がするのです。

そしてその一体感のまま
宇宙まで飛んでいって
宇宙とつながる気がするのです。

それが宇宙でなく
遠い外国の人とつながったら、
それはエスパーと呼ばれ、
気功治療をしたら、
遠隔治療と呼ばれるのだと思います。

別に不思議でもなんでもなく
そういうことだと思うのです。

先生は
こういうことは、
誰でもやれば出来ると言います。

やれば。

「大丈夫かな。
 出来るかな。
 これでいいのかな。

 そういうものは全て雑念だね。
 いらないね」

そう先生がおっしゃるように
信じてやり続けることだと思います。
なかなか、難しいですけどね。

以前もちらっと書きましたが
私は気功を始めてから
気を失うほど
大嫌いだった蛇が
平気になったのです。

もちろん今でも嫌いですよ。

でも今は、道端で蛇と出会っても
「あっ、いるのね」
と思うだけです。

それは
気功のおかげで、
私たち人間も、
蛇も、他の動植物も、
地球で生きとし生ける
全ての命は、
天と地の間で
生かされている
同じ命なんだなぁって
心から思えるようになったからです。

そして、そう思うと
なぜだかものすっごい喜びが
心から底から湧き上がってくるのです。

地表で違うところを見れば、
なるほど違うところは違うと思うのに対し、
宇宙から違うところを見ると、
なるほど違うところも同じだと思う。

『宇宙からの帰還』(立花隆)

宇宙から、
透けた雲の合間より
生きている私たちや動植物たちを見たら、
なるほど、違うけど同じ、
天と地の間に生かされている
同じ命だと思うと思うのです。

もう春ですね。

秘湯と気功に感謝を込めて。