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秘湯と気功でつづる七十二候|熊蟄穴 (くまあなにこもる) 12/12~12/15頃

クマをはじめ、動物たちが冬ごもりをする頃。
秋、栄養価の高いドングリや山ブドウなどの木の実をたっぷり食べ、皮下脂肪をたくわえ、穴にこもります。穴の中では、ほとんど身動きせず、脈拍や呼吸数も減少します。ただ熊はわずかな物音やにおいなどの刺激で目を覚ますほど、眠りは浅いそうです。

熊の候です!

クマ!
クマ!
クマ!

前世、クマだったのか?
と思うぐらい、
私は昔からクマというと興奮するのです。
なぜか。

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よく
「山の中の一軒宿、駒の湯山荘です」
というと、
「クマは出ませんか?」
と聞かれます。

でも残念ながらクマはでません。

というのも、
銀山平に続く
枝折峠(しおりとうげ)がある国道352号が
山を囲むように通っているので
駒の湯山荘側にはクマが降りてこないのです。

またこの地域は
クマ撃ちがしっかりしていて、
毎年、クマを撃っていたので
クマも人間を恐れて降りてこないのです。

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それが。
あれはいつだったか。
2004年の中越地震の後ではあったと思うのですが
クマとばったり出会ったのです!!

夜、駒の湯山荘から帰る途中
山道でばったり。

最初は、
誰か大きなタンスを
道の真ん中に捨てたのかと思いました。

駒の湯山荘への道は
車が一台通れるぐらいの
細い山道です。
そこにどんと黒い塊があったので、

あれっ、タンス?

と最初は思ったのです。

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車のライトを
黒い物体に当て、
そーっと近寄っていったら、

えっ、クマさん?

そう。
クマがじっとうずくまっていたのです。

車側に身体の側面を向け、
頭は山側に。
そして顔を下に向け
うつむくような感じで
じっとうずくまっていました。

わぁーーー!
クマさんだ!

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一生のうちに一度は
クマに出会ってみたい!
と思っていただけに、
もう、クマさんに出会えたことが
嬉しくて嬉しくて。
もう大興奮!

でもクマは微動だにしません。

でもよく見ると
何かを静かに食べている様子です。

じーっ。

私も
息をひそめて
クマを見つめていました。

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すると。
どのくらい時間がたったのか。
ふっとクマが顔を上げたのです。
そしてゆっくり
私の方を振り向いたのです。

えっ⁉

そして
にこっと
笑ったのです。

え、えっ⁉

そして、
とっこら、とっこらと
山の中に歩いて行きました。

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うっわぁーーー!!

もう大興奮です。
この興奮、この嬉しさを人に伝えねば!

電話がつながるところまで
車を走らせ、
山の地主さんに電話しました。

クマ!
クマ!
クマ!

それからしばらくして
山に
「クマ注意!」
の看板が立てられるようになりました。

うーーーん。
なんかちょっと違う・・・。

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クマ打ちの方のお話しによると
山のクマは、
人間に見つからないように
隠れてくれているそうです。
だから人間が近づくと
逃げてくれる。

だから
ここにいるよ、と
クマにわかるように
鈴を付けて歩くと
クマは逃げてくれるので
よいのです。

でも、町に降りてきたクマは
追い詰められて
パニックになっているので
人間を襲ってしまうのだそうです。

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クマは冬、穴にこもっている間、
ほとんど身動きせず、
脈拍や呼吸数も減少するそうです。

ただ、
わずかな物音やにおいなどの刺激で
目を覚ますほど、眠りは浅いそうです。

これって、
究極の気功法じゃありません?

気功は、
自己冬眠法とも言われます。

動物が冬眠するように
皮膚呼吸、胎息(たいそく)呼吸で
自分で冬眠状態を作るのです。

しかしこれは
本当にレベルの高い人の話で
まさに仙人の世界です。
憧れです。

やっぱりクマさん、
すごい。

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これから
冬眠の時期ですね。

私たちも
栄養価の高いものを
しっかり食べ、
皮下脂肪をたっぷりつけ、
来春、元気に迎えましょう。

ちなみに、クマさんは
天敵に襲われない安全な穴で
1~2月頃に平均二頭の子を産み、
春には子グマと一緒に
穴から出てくるそうです。

そして冬眠前と比べて
体重は3~4割減るそうです。

うううっ。
やっぱりクマさん、
すごい。

秘湯と気功に感謝を込めて。