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半夏生(はんげしょうず)|七十二候

半夏が生え始める頃。田植えを終える目安とされました。「半夏」とはサトイモ科の「烏柄杓 (からすびしゃく)」の別名で、この頃、山道や畑などに生え始めます。

半夏生といういと思い出す方がいます。
日本を代表するデザイナーの右腕として
長く活躍されていた方で、
季節ごとに駒の湯に
”鎧を外しに”来てくださっていました。

半夏生の花のように
いつもビシッと背筋が伸びていて
凛とした美しさをたたえている方でした。

厳しい世界で生き抜いていらっしゃる方独特の
張り詰めた緊張感をまとっている方でしたが、
駒の湯に来てしばらくすると
そのまとっていた鎧が溶けていきます。

自分の世界をビシッと持っていらっしゃる
本当に素晴らしい方でした。

そんな素晴らしい自分の世界を
しっかりと持っていた彼女を思い出すからか
最近、自発動をしていると、甩手の2番が自然とでてきます。

甩手の1番
身体の中の悪いものを出す瀉法の気功法
甩手の2番
良い気を身体に入れる補法の気功法
甩手の3番
補法でも瀉法でもない平補平瀉の気功法です。

甩手2-1png

甩手の2番は
両手を前から後ろへ振ります。
吸う息に合わせて
肩甲骨をきゅっと締め(胸が開きます)、
首を後ろに反らせ
踵をあげ、つま先立ちになりながら
指先から百会に気を入れます。
そして入ってきた気を任脈に流します。

言葉で書くと難しそうですが
慣れるとスムーズにできるようになります。

首も反らすばかりではなく、吸う息に合わせ
左を向き
後ろに引き
右を向き
と、柔らかく動かします。

私は甩手の2番は、
縦の円を描きながら
気をぐるぐる回すイメージです。

正しいやり方でぐるぐる気を回していると
手の平が赤くなり、足の裏からバーッと気が入ってくるようになります。

そして自分の調子の悪いところ、
気が滞っているところは痛みを感じると思います。
でもやり続けていると、
滞っているところが熱くなって、ぱーっと流れていきます。

甩手2-2

私の場合、10年ぐらいたった頃からか
甩手の2番でぐるぐる気を回していると
自分をすっぽりと包む気のボールの中で
気を回しているような感覚が出てきました。

その気のボールの中で、
ぐるんぐるんと気を回していると
どんどん自分を包む気のボールが大きくなっていきます。

気のボールにすっぽりと包まれながら
呼吸に合わせて
気功は天のエネルギー、
地のエネルギーを
自分の中に取り込んでいく感じです。
そうして気を蓄え
自分の世界をしっかりと、どっしりと強くしていく。

人在気中(じんざいきちゅう)
気在人中(きざいじんちゅう)
人は気の中に在り
気は人の中に在る。

そんな感覚を楽しんでいます。


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先日、ぼーっと駒ヶ岳を見ていました。

濃い緑と、所々に残っている雪の白が
まるで半夏生のようだなぁ、なんて思っていたら
ふっと

「お真知」

と半夏生のような彼女が
私に柔らかく語りかけてくれる
声が聞こえた気がしました。

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あまりにも穏やかで、柔らかく、優しい声だったので、
恐ろしくもなく、驚くこともなく、
ただ、ただ、懐かしく嬉しく、
ずっと山と空と雲を見ていました。

気づいたら2時間ぐらい
ぼーっとしていたのでしょうか。
いわゆる気功体になっていたのでしょうね。

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実は彼女とは昨年あたりから連絡が取れず
心配していたのです。

でも、
「私にもしものことがあっても
 誰にも知らせない。
 でも必ずお真知に逢いに行くからね」
そうおっしゃっていたので
こちらから無理に連絡はしませんでした。

気はつながっている。
時間も、空間も、物質も超えて
気はつながっている。

秘湯と気功に感謝を込めて。