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秘湯と気功でつづる七十二候|鱖魚群 (さけのうおむらがる) 12/16~12/20頃

鮭が群れをなして川を上っていく頃。
川で生まれて海で育った鮭は、産卵のために自分の生まれた川に戻ってくるそうです。その理由は、鮭の鋭い嗅覚によるものだと考えられています。

産卵のため
群れをなした鮭が
一心不乱に川を上る姿を
テレビで見たことがあります。

川一面が鮭、鮭、鮭。
途中で力尽きた鮭の
命のバトンを引き継ぐように
その上を乗り越えながら、
上へ上へと上っていく鮭。

この間、鮭は食物もとらないそうです。
ただ、ただ、上へ、上へ。
そして産卵を終えると力尽き死にます。

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鮭がなぜ生まれた川に戻ることができるのか。
定説は1つには絞り込めないそうですが、
有力な説として
生まれた川の水のにおいを
覚えているからというのがあります。

川で生まれた鮭は、
1年~5年ぐらい海で生活した後、
生まれた川に戻ってくるそうですが、
ずっと生まれた川の匂いを忘れないとは。

すごいですね。
鮭は私たちが想像もできないような
すごい感覚の世界で生きているのですね。

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嗅覚は、
人間の五感のうちでも
最も原始的、本能的な感覚といわれています。

というのも、
視覚、聴覚、触覚、味覚の4つは
刺激を受けると一旦、
新しい脳(大脳新皮質:精神活動などを担当する脳)に
伝えられます。その後、
古い脳(大脳辺縁系:感情、本能を担当する脳)に
伝えられます。

ところが嗅覚からの刺激は、
嗅神経から直接、
古い脳に伝えられるのです。

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人間が進化する前の性質である、
食欲、性欲と言った本能的な行動、
あるいは喜びや悲しみ等の
情動、記憶を支配しているのが、
古い脳です。

嗅覚だけは、
思考や、理性というフィルターを通さず、
直接人間の記憶や情動の古い脳
情報が伝えられるのです。

その鋭く発展した嗅覚を頼りに
次の世代に命につなぐために
生まれ育った川に戻ってくる鮭。
そして、一心不乱に遡上する鮭。

畏敬の念を覚えます。

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私は
人間は原始生物からの
進化の過程で
多くの能力を忘れてしまったのではないかと
思っています。

でもそれは忘れているだけで
私たちのDNAには
しっかり記憶されていると思っています。

だから
本当は鮭のような
本能的な鋭い嗅覚も持っているし、

また、
800キロメートル離れた
他のクジラと
コミュニケーションをとることができる
クジラのような能力も持っている。

ただ、進化の過程で
忘れてしまっただけ。

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そして気功は
そういう進化の過程で置いてきた能力を
呼び戻すことなのではないか、
と思っています。

気功仲間も皆、
気功を学び始めると鼻が敏感になった、
と言っていました。

私自身
確かに嗅覚が鋭くなりました。

私は10年間
気功治療をしていたのですが、
施術中、
患者さんの邪気が
身体から出ていく時、
ふわーっと
独特の臭いがするのでわかりました。

でも、
気功治療をしていた知人は、
黒い粒粒が見えると言っていたので、
人によって嗅覚で感じたり、
視覚で感じたり、
いろいろあるようです。

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いよいよ、
今年も残すところあと少しとなってきましたね。

皆さまの地方では
お正月に鮭を食べたりするのでしょうか。

私は実家は東京ですが
両親ともに新潟出身だったため
大晦日に最高のご馳走を食べます。

そして「年取り魚」はもちろん鮭。
子供のころは
この新潟名産の塩引き鮭が苦手でしたが
今は好きですね。

年を重ねると
昔食べたものが懐かしくなると
言いますが、まさにそうです。

でも、本当は
実家の近くの伊勢屋さんの
素朴な醤油ラーメンが
食べたいのですけど!

あーーー。食べたい!

秘湯と気功に感謝を込めて。