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秘湯と気功でつづる七十二候|橘始黄 (たちばなはじめてきばむ) 12/2~12/6頃

橘の実が黄色く色づき始める頃。
一年中つややかな葉を茂らせている橘。古くは柑橘類を総称して橘と言っていました。その葉は枯れることのない常緑樹であることから、めでたいもの、いつも変わらない永遠の象徴とされ、家紋や文化勲章のデザインとしても用いられています。

古事記や日本書紀には
「非時香菓(ときじくのかぐのこのみ)」
と呼ばれる不老不死の力を持った
霊薬を持ち帰らせたという話があります。

橘は葉が常緑であることから、
非時香菓(ときじくのかくのみ)
ー時を定めずいつも黄金に輝く木の実ー
もまた不老不死の霊薬(黄金の林檎)と
考えられていたそうです。

そういう由来から、
京都御所紫宸殿では
「右近橘、左近桜」として
橘が植えられているそうです。

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<京都御所ホームページ掲載写真より>


そういえば、お雛様でもそうですよね。
雛壇に向かって
左側に「橘」、 
右側に「桜」を飾ります。

<花木箱 雛段飾り(瀬戸焼のお雛様)より>

んんん?

右側に「近の桜」で
左側に「近の橘」を飾る???

あれっ、右と左と逆じゃない???

調べてみました。
調べてみました。

雛人形は
京都御所の正殿「紫宸殿(ししんでん)」
に習っているからだそうです。

紫宸殿 では
中央に天皇の御座・髙御座(たかみくら)があり、
天皇側から
北を背に南面の庭を御覧になると

日が昇る方が「東」= 左上位=【桜】
日が沈む方が「西」= 右下位=【橘】

ですから
に、近の桜。
に、近の橘。
なのだそうです。

面白いですね。
いつか京都に行って
実際に見てきたいです!

さて、
非時香菓(ときじくのかぐのこのみ)」
と呼ばれ、
不老不死の力を持つと言われた橘。

不老不死といえば、
始皇帝が有名ですよね。

仙人が住むといわれていた
五神山の一つ蓬萊へ行き
仙人を連れてくるように
命じたと言われています。

仏教の四苦でも
生・老・病・死があげられています。

やはり太古から
老いる、死ぬは
人間の苦しみの中でも
最も大きいものだったのですね。

ただ気功は
面白いことに
死ぬも生きるも一緒
と捉えているのです。

死:見えない世界、陰の世界
生:見える世界、陽の世界。

気功では
陰と陽の間、中庸の世界、

死と生の間、
死んでいるでもなく
生きているでもない世界、
それを目指しています。

昔、気功の先生が
「死にたくない」と思ったら死ぬよ。
「死にたい」と思ったら死ねないよ。
とおっしゃいました。

その時はふーんと思って聞いていましたが
今、よく分かります。

頭が割れるように痛くて痛くて
眠ることもできない。
このまま、頭の中の瘤が破裂して
死んでしまうのではないか。
そうも思ったりします。

でもそんな時、
どっちでもいいや。
と思うと、
ふーっと身体の力が抜けるのです。

もちろん
がーっとした頭の痛みは消えませんよ。
でも、
痛いことは痛いけど
ふーっと力が抜け、楽になるのです。

気功では
死ぬこと、
生きること。
陰と陽。
男と女。
命。
ということを
語り尽くしています。

そして
四季が巡るように
命も巡っている。

木の芽が出て
花が咲き
実がなり
葉が落ち、
それがまた
腐葉土となって
次の命を紡いでいく。

そこには
生も死もなく
全てのエネルギーが
転化していくだけ。

そういうことを
教えてくれています。

そうそう。
お雛様の飾り方。
桜、橘は、
右だったかしら、左だったかしら
と悩んだ時、

日は、近の
さんがつみっかは、こんのくら

と覚えると良いそうです。

33333・・・。
面白いですね。

秘湯と気功に感謝を込めて。