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秘湯と気功でつづる七十二候|鶺鴒鳴(せきれいなく)(9/12~9/16頃)

セキレイが鳴き始める頃。尾をピンと伸ばし、地面を叩くように上下に振りながら歩くセキレイは、日本神話にも登場し「恋教え鳥」とも言われます。

大湯温泉からの道を右折し、
駒の湯に続く山道に入ると
あたかも駒の湯まで
道案内するかのように
車の前を、
しかも運転している
私の目の高さあたりを、
スーイ、スイと
セキレイが飛ぶのです。

危ないから
向こうに行きなさいっと
車窓から手を出して
追い払おうとするのですが
スーイ、スーイと
車の前スレスレを飛ぶのです。

車にぶつからないか
心配やら
可愛いいやら。

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昔、
夫が生きていた頃、
駒の湯の玄関前の土手のところに
セキレイが巣を作り
卵を産んでしまったことがあります。

ただ、玄関前なので
お客様がうっかり
荷物を置きそうになったり、
「可愛い」と
思わず巣に近づきそうになったりするので

「あーーー、
   そこはセキレイが巣を作っているので
 ダメです。ダメです」


と、飛んでいって。

またある時、
「チチチチッ、チチチチッ」と
けたたましい鳴き声が聞こえたので
何ごとかと飛んでいったら
蛇が卵を狙っていたので、

これまた猛ダッシュで
蛇を追い払って。

とにかく
忙しったらありゃしない。

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そうこうしているうちに
無事3羽、雛が孵りました。

ある時、
親セキレイが羽をケガしたのか
バタバタ、バタバタ、
道でもがいているのです。

どうしたの?

と思って近づこうとすると
スッと遠ざかる。
そしてまたバタバタ、バタバタ。

えっ?

と近づくと、またスッと
同じ距離だけ遠ざかる。

そうして一定の距離を保ちながらも
バタバタ、バタバタし続け、
突然、パッと飛び立ったのです。

???

すると今度は
遊歩道にある木の看板の上を
もう一羽の親セキレイが
ぐるぐる、ぐるぐる回っているのです。

えっ?
なに?

しかも、近づいても逃げない。
手がしっぽに触れるぐらい近づいても逃げない。

なに?
大丈夫?
病気?

と心配になり捕まえようと手を差し出した時
パッと飛び立っていったのです。

なに?
なんだったの?

夫と二人、
???
と思いながら、
玄関前の土手に戻ってきて
巣を見てみると
なんと、雛鳥が3羽とも巣立っていたのです。

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今まで、
人間の匂いをつけたらいけないので
絶対に巣には近づかず
いつも遠くからそーっと
バレないように見ていたつもりですが、
セキレイは知っていたのですね。

だから親鳥は
雛鳥が巣立ちの間
言葉通り命がけで
私たち人間の注意を惹きつけていたのです。

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セキレイが巣立ったら
急に淋しくなってしまいました。

でも翌年、
そして翌々年も
春になると
セキレイが5羽
駒の湯の上空にやってきて、
スイ―ッっと2回ほど
まるで挨拶をするように
旋回していったのです。

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そんな思い出溢れるセキレイなのですが、
その一方で、
セキレイがしっぽを
振り振りしながら歩く姿は
香り気功を思い出します。

セキレイは普通、
上下にしっぽを振り振りするのですが、
中には、横に振り振りする種類もあるそうです。
そうするとまさに
香り気功中級の腰の動きと
似ているじゃありませんか。

香り気功は
初級、
中級、
上級
があり、
初級は、上半身と手の動きが中心です。
中級は、上半身、手の動きに
下半身、腰の動きが加わります。
上級は、直伝のみで特別な人にのみ授けられるものです。

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私が香り気功と出会ったのは
体験入学の時です。

先生を真似して
香り気功の初級をしていると
白檀のお線香の香りがしてきました。

「先生。
 どこでお線香を焚いているのですか?」


そう質問すると
先生方は面白がって
次は香り気功中級に変えて

「今度は何の匂いがする?」

と聞いてこられたのです。

「さっきとは違う匂いです。
 変な匂いです」

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香り気功を続けていると
頭のてっぺんが開いて
天とつながり、
身体から良い香りが出てくる。
だから香り気功というそうです。

赤ちゃんや小さな子供の頭は良い香りがしますよね。
子供は純粋で天とつながっているからだそうです。
でも歳をとるにつれ、頭のてっぺんが閉じ
頭が臭くなります。

私が最初に香り気功と出会った時、
マイナス120%と言われる状態、
つまり生死を彷徨っていた状態だったので
そういう意味では天とつながっていたのでしょう。
だから、香りがしたのだと思います。

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あれ以来、
香り気功をして香りがすることはありません。

うーーーん。
喜んでいいのか、どうだろう・・・。

秘湯と気功に感謝を込めて。