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雀始巣(すずめはじめてすくう)|七十二候

雀が巣を作り始める頃。昼の時間が少しずつ伸び、多くの小鳥たちが繁殖期を迎えます。雀は古くは古事記や日本書紀に登場し、日本人にとって身近な存在ですが、最近は生息数が少なく、貴重な存在になっているそうです。


雀始巣だなぁと思いながら
今朝、新聞を取りに出たら、
雀が2羽仲良く屋根に止まっていました。
「あっ」と慌ててスマホを準備している間に
1羽が飛び立ち、1羽だけに。
残念!

冬の間、
私は駒の湯山荘、いわゆる山の中ではなく、町の中で生活しています。というのも、駒の湯山荘の辺りは4メートル近くの雪で閉ざされてしまうからです。
(因みにですが、そのため駒の湯山荘は、11月中旬から4月下旬まで雪に閉ざされ休業しています)

里の鳥である雀は、駒の湯山荘辺り、山では見かけません。
そういえば、カラスも山にはいませんでした。だから、はじめて山でカラスを見た時は驚きました。

確かあれは、昭和49年に駒の湯山荘への橋が、吊り橋から現在のコンクリートの永久橋になった後ぐらいだったと思います。永久橋ができたことで、車で橋を渡れるようになり、佐梨川の上流で砂防ダムの工事が行われた頃だったと思います。

「ダムの工事の人たちが食べ残したものを目当てにカラスが来たんじゃないか」

夫はそう言っていましたが、もちろん本当のところはわかりません。でも、その頃から山にカラスが来るようになったのです。

雀始巣ならぬ
烏始巣です。

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越後駒ケ岳のふもとにある駒の湯山荘に
黒いカラスが1羽。
小さな小さな黒い点が
山にひとつ入ってきたなという気がしました。

と同時に、私の身体の中にも、
小さな小さな黒い点がひとつ、
邪気(じゃき)がひとつ、
山の命とともに入ってきた気がしたのです。

邪気
⑴ 病気などを起こす悪い気。
⑵ 悪意。
⑶ もののけ。
⑷ 風邪。感冒。
『広辞苑』(第7版)

気功的にいうと
邪気は、身体の中に詰まっている余計なもの、滞りです。
年を重ねるとパワーが落ちてくるのは、そういう余計なもの、邪気が、身体の中に詰まってくるからです。

気功には、そういう邪気を身体の外に出す方法がたくさんあります。

私は自発動という気功法で邪気を出します。
意識をぼーっとして、全身の力を抜いて、頭で何も考えずに、身体の中から湧き上がってくるエネルギーによって身体が自然に動くのに任せます。すると身体の中に滞っていた気の流れが良くなり、身体の中に詰まっている邪気を出すことができるのです。

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あの年
駒の湯山荘に、
黒いひとつの邪気が入ってきた。

そんなことを思い出す
雀始巣です。


秘湯と気功に感謝を込めて。